2013 Fiscal Year Research-status Report
低分子化合物ライブラリーを用いた放射線障害防護剤HTPスクリーニング
Project/Area Number |
25550034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
鈴木 啓司 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 准教授 (00196809)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 放射線 / 防護剤 / DNA損傷 / 情報伝達 |
Research Abstract |
本研究は、細胞死を誘導する細胞内情報伝達の阻害を基盤原理にして、放射線防護剤の低分子化合物ライブラリーのハイスループット・スクリーニングを目指すものである。この目的を達成するために、まず、DNA損傷情報の伝達経路活性化を生細胞において可視化する検出技術の開発をおこなった。DNA二重鎖切断の生成は、ATM依存的なDNA損傷応答を惹起するが、その結果、数多くのDNA損傷応答因子が、DNA損傷部位に局在化(フォーカスを形成)する。その1つが、53BP1蛋白質である。そこで、53BP1の集積に係わる領域に蛍光タグを付し、蛍光シグナルによって間接的に53BP1の集積を検出することにより、DNA損傷情報経路の活性化を可視化することに成功した。次に、イメージングアナライザーIN Cell Analyzer 2000を用いた画像解析により、フォーカス形成の判別を自動化するプロトコールの構築を試みた。このため、細胞を384穴プレートに播種し、γ線(3Gy)を照射して53BP1フォーカスの形成を蛍光タグのシグナルから判別した。赤色蛍光の楕円領域を細胞核として認識し、その中に形成される輝点をフォーカスとして抽出するプロトコールにより、放射線照射によって誘導される53BP1フォーカスを高感度で検出できることがわかった。あわせて、放射線照射量を3Gyとすること、また、放射線照射後の解析時間を24時間後とすることなどを決定し、さらに、最上流のATMを阻害する特異的阻害剤を用いて、DNA損傷情報の阻害により誘導された53BP1フォーカスの形成阻害を検出できることも確認した。以上の結果から、次年度のハイスループット・スクリーニングの条件を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画において予定していた研究項目のほぼ全てを完了できたため。研究は順調に進行し、次年度の本格的なスクリーニングに向けての準備をほぼ整備した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、確立したライブイメージングの方法を駆使して、9600個の低分子化合物のコアライブラリーのハイスループット・スクリーニングを実施する。
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