2013 Fiscal Year Research-status Report
森林の精密な放射線量モニタリングのための野生動物を用いた計測法の開発
Project/Area Number |
25550044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
高橋 隆行 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (70197151)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 放射線モニタリング / 空間放射線量分布 / GPS / 野生動物 |
Research Abstract |
本研究では,森林の精密な空間放射線量分布(マップ)を把握することを目指し,野生動物を使った新たな計測手法を開発する。以て,福島県の除染,復興に必須の情報を得ることを目的とする。具体的には,GPS,放射線量計,高度計測用気圧センサ,データログ機能を搭載した小型計測器を野生動物(サル,イノシシ,野犬等)に装着し,数週間にわたって記録したデータを回収することで,目的とする放射線量分布を得る手法ならびに必要な装置を開発する。これまで,森林の放射線量計測には,航空機モニタリングなど遠隔からの計測しか効果的手段が無く,放射能の詳細な時空間的な動態を把握し,その予測を行うことは困難であった。本研究では,この問題を解決するための新しい計測手法の基礎を確立することが目標である。 本年度は,研究代表者らが行った予備的検討の結果に基づき,大きく4つの課題の解決を行い,目的の計測法の基礎を確立することとしていた。具体的には,①測定高度の精度を向上,②動物の種類による搭載する機能の検討と選択,③小型で高感度の線量計の開発,④小型軽量化,である。このうち,測定高度の精度向上において,想定していた気圧による方法やステレオ視による方法など,いくつかの手法を実験的に検討したが,満足できる結果とはならなかった。最大の課題は安定性と精度であり,この部分方針が固まらないと,装置全体のシステム設計が行えず,結果的に,進捗が遅れることとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
地上高1mの空間線量率に正確に換算するために必要な正確な高度情報を得る手法に,有効な方策が見いだせていない。当初想定した手法では,安定性や精度の点で満足できる結果になっておらず,モニタリング調査に入れていない。
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Strategy for Future Research Activity |
課題となっている正確な高度情報の取得に関して,さらにいくつかのアイデアがあるため,それらの検討を進める。また,樹に登らないなど高度情報が無くとも良い動物のみを用いたマップ作製が可能か否かについても検討を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
目的とする装置の実現に必要な機能が実現できず,計測装置の試作が滞ったため。 正確な高度計測機能の実現に向けた試作・実験を引き続き行うとともに,目的の計測装置の試作やモニタリング実験に使用する。
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