2013 Fiscal Year Research-status Report
微生物間代謝ネットワークを考慮した新しい生分解性評価の試み
Project/Area Number |
25550051
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
亀屋 隆志 横浜国立大学, 環境情報研究院, 准教授 (70262467)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 代謝解析 / GC/MS/MS / LC/MS/MS |
Research Abstract |
(1)生態毒性を示す化学物質および化学物質分解生成物の特定 本研究では、同位体標識物質が入手可能である化学物質を対象としている。そこで、Cambridge Isotope Laboratory社製品の中で、Environment Contaminantに分類される13C標識化合物、315物質の中で、これまで環境モニタリング対象として分析している108物質について、我々が実施している神奈川県一般環境を中心とした環境モニタリングデータを調査し、環境中での検出の有無を確認した。その結果、アジピン酸ジエチルヘキシル(DEHA)、ビスフェノールA、コレステロール、クロロベンゼン(異性体3物質)、フェノール、アニリン、カフェインの9物質が環境中において検出されていることが確認でき、これらを分解機構の評価対象物質候補とした。 (2)分解経路既知の化学物質を用いた分解機構解明のための解析条件の最適化 平成25年度は特に、代謝解析技術の確立に注力した。GC/MS、GC/MS/MS、LC/MS/MSを用い、解糖系、TCA回路、アミノ酸等の微生物代謝において重要な役割を担う物質38物質について検出する分析系を確立するとともに、ペントースリン酸経路等の約物質を含めついて検出可能であることを確認した。微生物試料への適応として、大腸菌を用いて、細胞の回収、代謝物の抽出、分析までの一連の操作について再現性を確認した。また、Pseudomonas putidaによる安息香酸分解(純菌系;初期安息香酸濃度200 mg/L)、活性汚泥を用いたアニリン分解(複合微生物系;初期アニリン濃度100 mg/L)を実施し、それぞれ、分解過程において、10物質、26物質の変動を評価することが可能であったことから、代謝解析における準備は整いつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画当初において、100物質程度に対して、生態毒性・生分解性に関する情報を確認することとしたが、環境中において検出される分解物が親物質であると判断する根拠が示すことが困難であることから、環境中での検出を評価することとした。また、対象物質を315物質まで拡大することで分解機構評価対象物質として9物質を選定することができた。 分析法(代謝解析・SIP法)の最適化については、SIP法について検討ができていないものの備品・消耗品、技術の修得に関する課題はなくスムーズに研究を推進可能であり、代謝解析に関する基礎的検討についてもほぼ完了したといえ、計画通り進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
SIP法の検討について、実験機器・試薬等はすでに入手しており、順次検討する段階である。また、活性汚泥を培養する系も確立しており、候補物質に対して、分解物を調査し、分解物の毒性評価、対象物質の分解経路の評価を推進する。
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