2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25550055
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
木村 浩 岐阜大学, 工学部, 准教授 (40313910)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | コロイド粒子 / 電気二重層 / 沈降速度 / 電場 / 電界強度 / 流動 |
Outline of Annual Research Achievements |
水などの極性溶媒中ではコロイド粒子の表面に電気二重層が形成され、安定な分散状態をとりやすい。電気二重層の厚さが大きいほど、より安定な分散状態となる。水中微粒子の除去方法としては、強制濾過や凝集剤の添加などがあるが、これらの方法では、除去速度の向上と環境負荷への配慮を同時に行うことは難しく、根本的な解決方法が求められている。本研究者は、水中の固体コロイド粒子の沈降速度が電場印加によって飛躍的に増加することをこれまでに明らかにしている(「電場沈降効果」と名付けた)。平成26年度では、「流動場」での電場沈降効果を調査することを目的とした。 ベントナイト粒子水分散液を徹底的に脱塩し、粒子の体積分率を0.000164に調整した。流動セルを新規に作製した。セル内部に電極を取り付けチューブを使い閉空間にした。電極はステンレス平板を使い、電極間距離を1.0 cmとしてセル内に設置し、ファンクションジェネレータによりDC電場を与えた。電界強度は最大で1.0 V/mm(最大印加電圧10 V)とした。流動セル内のベントナイト粒子水分散液を循環させるためにペリスタポンプを使用した。流速は最大で493.3 mL/minとした。4時間循環した後のチューブ内の分散液を絶乾して各処理後の体積分率を測定した。流路は3パターン設定した。 電界強度0.3 V/mmDC以上において、全ての流速および流路パターンで電場沈降効果を初めて観測した。流速が小さいほど効果が大きくなった。沈殿した粒子が再度循環しにくい流路パターンで最大の効果を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
実際の微粒子と水の分離を想定し(計画書に記載したような粘度測定による間接的な評価ではなく)、新規に製作した流動セルを用いた実験により、電場印加によって水中コロイド粒子が急速に沈降する「電場沈降効果」が、流動場で初めて観測されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
製作した流動セルを用いて、実験条件を系統的に変化させ、「電場沈降効果」における実験条件の最適化を行う。
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Research Products
(8 results)