2014 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロキスティスコロニー破壊珪藻を用いたアオコ防除対策法の研究開発
Project/Area Number |
25550057
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
ハオ 愛民 九州大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (40586971)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Microcystis Colony / Nitzschia palea / Biomass / Competition environment / water quality |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,新たに発見したアオコ群体の破壊作用を有する珪藻を利用し,技術的に容易で省エネルギーかつ生態的なアオコ(Microcystis)防除法を開発する目的で,珪藻を優先的に増殖させる栄養塩及び増殖場の環境を整えるため,2014年8月31日~9月26日の期間,アオコが発生している打上ダム湖の水域で,3基の同容量(1m3)のメソコズムを用い,対照区,珪酸栄養塩500g供給の処理区及び長さ1.0mのプラスチック紐(10本)の生物付着担体設置の処理区の計3実験区を設け,再度検証実験を行った.また,現場実験後,生物付着担体を持ち帰り,室内実験に供試した.室内実験はビーカー(2L)に同水域のアオコ原水のみを入れた対照系及びアオコ原水に生物付着担体(15cm)を添加した処理系を各三連に調整した.その後,設定光条件が3400Luxの12h明:12h暗で,温度25℃の恒温室に設置して,14日間藻類培養の確認実験を行った.以上の実験からそれらの水質(pH,DO,DTN,DTP,Chl.a,Si濃度)及び植物プランクトン組成の経時変化の結果に基づき,珪藻によるアオコ増殖抑制効果の有効性を検証した.その結果,次のことが明らかとなった. ①シリカの連続供給により珪藻類及び緑藻類の増殖が促進され,Microcystis の増殖が抑制された. ②珪藻の付着に適したひも状担体の設置により珪藻の増殖が促進され,Microcystis の増殖が抑制された. 本研究は,珪藻を利用する新たな生態的アオコ防除法として初めての試みとなり,独創性・新規性が高い.また,地産の一般的な珪藻類を利用した生態的対策法で,外来の生物を持ち込むことがないことから,環境影響の少ない経済的な技術として発展性が期待できる. さらに,本研究の成果について,H26年度土木学会西部支部技術研究発表会において技術成果開発奨励賞を受賞した.
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