2014 Fiscal Year Research-status Report
環境再生・食糧増産への応用に向けた強ストレス耐性緑藻由来低温応答遺伝子の機能解析
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25550063
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| Research Institution | Osaka University |
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Principal Investigator |
平田 收正 大阪大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (30199062)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 聡 関西電力株式会社研究開発室電力技術研究所, その他部局等, 研究員 (90451294)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 海産性緑藻 / Chlamydomonas / 大腸菌 / 細胞形状 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高塩ストレスや酸化ストレス等の様々な環境ストレスに対して高い耐性を示す海産性緑藻Chlamydomonas W80株より獲得された機能未知遺伝子cluster58遺伝子の機能解析およびストレス耐性植物・緑藻の創成に向けた有用性の評価・検証を実施する。平成26年度は、cluster58遺伝子の機能解析を目的に、cluster58遺伝子を強制発現させた淡水性緑藻Chlamydomonas reinhardtiiおよびcluster58遺伝子強制発現大腸菌の表現型解析を実施した。C. reinhardtii形質転換体においては、cluster58遺伝子全長の導入により過酸化水素による酸化ストレスに対する耐性が付与されることが示唆された。一方、大腸菌形質転換体の場合、推定細胞外分泌シグナル領域を除いたcluster58遺伝子(cluster58-S)を導入・発現させることにより、LB液体培地で培養した際の最終濁度が増加することが見出された。濁度の増加が細胞数の増加によるものか検証するために、8時間培養した大腸菌をLB寒天培地に播種し、CFU (Colony forming unit)を計測したところ、cluster58-S発現大腸菌のCFUがコントロール大腸菌と比較して減少することが明らかとなった。cluster58-S発現大腸菌のDAPI染色像を蛍光顕微鏡により観察したところ、細胞の形状が細長くなっていることが見出された。以上の結果より、cluster58-Sは大腸菌において発現させることにより、細胞形状の変化と増殖の阻害を引き起こす特性を有していることが示唆された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、我々が過去に単離した強ストレス耐性緑藻クラミドモナスW80株より得たストレス応答性機能未知遺伝子、cluster58遺伝子の機能解析・評価を行う。これまでの研究を通じて、W80株におけるcluster58遺伝子の転写パターンの解析、cluster58強制発現C. reinhardtii株の作製と表現型解析に着手している。また、大腸菌においてcluster58遺伝子を発現させることにより、上記の通り非常に特徴的な表現系を示すことを見出した。このような表現系は当初想定していなかったが、cluster58遺伝子の特性を示す重要な現象であると考えている。光合成産物高生産緑藻を用いた代替エネルギー生産へ向けたcluster58遺伝子の有用性の評価・検証については十分に実施できていないが、上記の通りcluster58遺伝子の機能解析は順調かつ興味深い進展を示しており、全体としてはおおむね順調に進展していると言える。
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| Strategy for Future Research Activity |
cluster58遺伝子強制発現C. reinhardtii株の詳細な表現型解析をさらに進めると共に、植物培養細胞を用いたcluster58遺伝子強制発現細胞の作製とその表現型解析にも着手する。また、当初の計画には含まれていなかったが、cluster58遺伝子発現大腸菌において興味深い表現型が認められたため、当該表現型の詳細な解析および分子メカニズム解明を通じたアプローチからも、cluster58遺伝子の機能解析、特性解析を進める予定である。
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| Causes of Carryover |
cluster58遺伝子強制発現C. reinhardtii株の作製において、種々の問題が発生し、当初の計画以上に時間を要した。そのため、クラミドモナス形質転換体の表現型解析、例えば、ストレス耐性試験などに着手はできているものの未だ十分に実施できていないため、未使用額が発生した。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
未使用額は主に、細胞の培養に必要な培地、各種試薬類やプラスチック器具類の購入、および本研究成果の発表に必要な諸経費として使用する。
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