2013 Fiscal Year Research-status Report
IL-8レポーター細胞を用いた微生物毒素簡易定量法の開発
Project/Area Number |
25550076
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木村 裕 東北大学, 大学病院, 助教 (90375056)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | エンドトキシン / ルシフェラーゼアッセイ |
Outline of Annual Research Achievements |
Toll Like Receptor(TLR)1から9のアゴニストでIL-8レポーターであるTHP-G8細胞を刺激したところ、TLR 1, 2, 4, 5, 6, 7のアゴニストでIL-8レポーター活性が上昇した。一方、THP-G8細胞の親細胞であるTHP-1細胞においてTLRの発現を確認したところ、TLR8以外のTLRの発現が認められた。 当研究ではレポーター細胞を試料とともに37℃で6時間培養する過程があり、試料中に生存する細菌の影響を排除するためなんらかの滅菌処理を行う必要がある。Lipopolysaccharide(LPS)、大腸菌菌体の刺激によりIL-8レポーター活性が上昇するが、その上昇が種々の滅菌処理により変化するかを検討した。LPSによるIL-8レポーター活性の上昇は、0.20μmミリポアで70%ほどに、オートクレーブで10%ほどに抑制された。Softexによる照射処理では抑制されなかった。大腸菌菌体によるIL-8レポーター活性の上昇は、大腸菌に対するアンピシリン処理、オートクレーブ処理で抑制されなかった。 仙台市の水系である広瀬川において、上流の大倉ダム、中流(仙台市街)、下流(名取川との合流後)、海域(仙台湾)で水を採取しIL-8レポーター活性を測定した。蒸留水に比べ、大倉ダム、中流で中程度のIL-8レポーター活性の上昇、下流で高いIL-8レポーター活性の上昇が認められた。これらの上昇は試料をミリポアに通すことにより抑制されたが、試料のオートクレーブ処理では抑制されなかった。海水ではIL-8レポーター活性の上昇は認められなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
試薬の入手が困難である理由により「末梢血由来単球細胞におけるTLR agonist9種類、NOD 受容体agonist 2種類、ブドウ球菌由来スーパー抗原刺激後のIL-8 mRNA 発現との比較」は未施行であるが、その代替として、平成26年度施行予定の「河川、湖沼などの環境汚染水中の毒素の定量」を先行して行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度施行予定の「末梢血由来単球細胞におけるTLR agonist9種類、NOD 受容体agonist 2種類、ブドウ球菌由来スーパー抗原刺激後のIL-8 mRNA 発現との比較」を行う。 平成26年度施行予定の「複数のTLR、NOD 刺激物質混入時の標的受容体の同定」をおこない、IL-8レポーター活性が上昇した河川、湖沼について標的受容体の同定が可能であるかを検討する。
|