2014 Fiscal Year Annual Research Report
IL-8レポーター細胞を用いた微生物毒素簡易定量法の開発
Project/Area Number |
25550076
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木村 裕 東北大学, 大学病院, 助教 (90375056)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | エンドトキシン / ルシフェラーゼアッセイ / 環境水 / 免疫撹乱 |
Outline of Annual Research Achievements |
河川、飲料水など環境中のエンドトキシンを始めとする微生物由来毒素の混入は、発展途上国のみならず、時に先進国でも問題となるが、これらを包括的に鋭敏かつ迅速に検出する方法はいまだ確立されていない。毒素を始め微生物由来の活性物質に幅広く反応する単球に注目し、THP-1単球系細胞株にIL-8プロモーターに制御されたSLOルシフェラーゼ遺伝子を導入しTHP-G8細胞を樹立した。この細胞を用い、環境水中の微生物由来毒素を広範にスクリーニングする評価系の構築を目指した。 TLR 1, 2, 4, 5, 6, NLR 1, 2アゴニストの添加によりTHP-G8細胞のIL-8レポーター活性の上昇が認められた。LPS (E.coli 026:B6) を添加することによりIL-8レポーター活性の上昇が濃度依存性に認められ、その感度は1 ng/ml で10 endotoxin unit(EU)/ml に相当した。仙台周辺の環境水(ダム、河川水等)を測定したところ上流から下流にいくに従いIL-8レポーター活性の上昇が認められた。フィリピンのマニラ周辺の環境水についても同様の傾向が認められた。仙台およびマニラ周辺の環境水について、リムルス試験での測定値とTHP-G8でのIL-8レポーター活性を比較したところ、完全には相関せずエンドトキシン以外の免疫攪乱物質が関与しその活性を評価できる可能性が示唆された。仙台およびマニラ周辺の環境水、感作性物質、LPSについて、TLR4のアンタゴニストであるPolymyxinB、または抗酸化剤であるN-acetylcysteineで前処理したのちIL-8レポーター活性を測定し%suppressionを算出した。これらの数値を指標とし被験物質を分類することができ、今後阻害剤を併用することにより、環境水を定性、定量的に評価できる可能性が示唆された。
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