2014 Fiscal Year Annual Research Report
人工騒音が小型鯨類に及ぼす影響の評価と管理指針の構築
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25550082
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
依田 憲 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (10378606)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 受動的音響観測 / 船舶騒音 / 小型鯨類 / 保全 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、音に大きく依存して生活する小型鯨類の生態解明と水中人工騒音公害の影響評価を同時に行い、人間活動と共栄する保全管理策の指針を構築することを目的としている。本目的達成のため、日本で最も沿岸性の強い小型鯨類種であるスナメリの伊勢湾・三河湾個体群に着目し、研究を行なった。 2014年度は、申請者らが考案した音響個体数推定法を用いて、2014年6月(春季)および8月(夏季)に伊勢湾(約1465km2)、三河湾(約533km2)および外洋域(約933km2)の各海域を均等にカバーするように調査を実施した。音響記録計二機を調査船後方75m, 100mで曳航し、同時に調査船に搭載されている魚群探知機から本種の主要餌生物の一である魚類を検出した。また、船舶の航行、護岸化の程度、建設工事、掘削工事、マリンスポーツ等の人為的活動の分布位置についても記録を行なった。 また、2014年9月より2015年3月まで音響観測定点を二点設置した。一つは三河湾湾口にある日間賀島の北東で比較的静かな定点であり、もう一つは日間賀島の南西でフェリー航路に近く、騒音レベルが高いと考えられる定点である。現在、船舶騒音の影響について解析中であり、今後さらに解析を進め、個体群の分布に基づいて、騒音を発生する特定の人間活動に対して適切な空間的、時間的規制などを論文にまとめ発表する予定である。
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Research Products
(1 results)