2013 Fiscal Year Annual Research Report
フォワードオスモシス用イオンバリヤー膜を用いた高効率水処理システムの開発
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25550092
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
比嘉 充 山口大学, 理工学研究科, 教授 (30241251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 宣隆 山口大学, 理工学研究科, 助教 (40314819)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 正浸透膜 / ポリビニルアルコール / 荷電膜 / 駆動溶液 / イオン透過 / 水流束 |
Research Abstract |
本研究では、親水性高分子であるpoly(vinyl alcohol)(PVA)の主鎖に荷電基を有するPVA系高分子アニオン、及びPVA系高分子カチオンを使用した正荷電(P)層と負荷電(N)層をそれぞれ有するFO用イオンバリヤー膜(FO-IB膜)の作製を行った。得られたFO膜を使用してFO性能評価を行った結果、同条件における市販FO膜(HTI社製)の水透過流束Jwが1.6 L/m2hに対して、FO-IB膜の水流束は2.6 L/m2hとなり、1.6倍高い値を示した。 またFO膜の両界面間に発生する膜電位とイオン透過との関係について検討するために、上記N層、P層における膜電位を測定した結果、Na2SO4、CaCl2をDSに使用した場合、それぞれ約-80mV、+60mV(DS側を基準)の膜電位が生じた。また同じDSにおいてはP層がN層より高い膜電位を示した。対象溶液(FS)側からDS側への陰イオンの透過は膜電位が増加すると低下し、陽イオンの透過は逆に、電位増加と共に増加した。これらの結果は、FS中に含まれる有害イオンの除去等の解析に役立つと考えらえる。 次に実用化を考慮して膜モジュールにおけるにFO性能評価を行った。DSに0.6M NaCl、FSにイオン交換水を種々の供給流量で送液し、Jwの測定を行った。JwはDS供給流量の増大と共に直線的に増加した。またFS供給流量(Qfs)の増加と共に増加し、Qfsが1.5L/min以上においてほぼ一定の値1.4 L/m2hを示した。これはQfsが低い条件下では膜モジュールに供給されるFSのほぼ全量がDS側に透過したためである。次に重金属イオンを含む産業排水の模擬水として種々の濃度のCa2+イオンを含む溶液をFSとして透過実験を行った。その結果、DS出口溶液からCa2+イオンは検出されず、FSにおけるイオン濃縮率は3.7倍を示した。
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