2014 Fiscal Year Research-status Report
地域の文脈を意識させる農漁村環境づくりのための合意形成に関する研究
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25550099
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木谷 忍 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20169866)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ゲーミング / 地域づくり / 農村の再生 / 合意形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の調査対象地は宮城県東松島市宮戸島月浜地区である.まず,地域内交流/地域外交流,普遍性/固有性の観点から 13名の学生を3つの価値観α,β,γをもつ3つのチーム(4~5名で構成)にわけ,東松島市市役所職員による対象地域(宮戸島)についての事前説明,その情報をもとにプランのたたき台を各チームが作成した.調査当日は,現地で地域住民へのインタビュー,および東松島市市役所職員に現地の案内によるフィールド調査を行い,その後まちづくりプランのたたき台をもとに修正を施し,最終プランを完成し,翌日,地元住民の前でまちづくりプランを発表した. 地元住民には,学生の発表に対して,「自分が受け入れやすい」「宮戸にふさわしい」「新鮮で,独自性がある」「実施可能性がある」「夢がある」という5項目に関して4段階(4が高評価)で評価してもらうと同時に,1番支持するチームと2番目に支持するチームを聞き.プラン発表の後,住民に支持するチームの学生と一緒にプランについての感想や改善点,実際にプランを実行するために必要なことなどの話し合いを行った. 調査前では価値観γ(地域内交流・固有性)がほかの価値観に対して高かったのに対し,調査後では価値観β(地域外交流・固有性)が増加,価値観α(地域外交流・普遍性)が増加,価値観γが減少と価値観によって大きな差がついた.全体の評価値の分散は発表会前から発表会後にかけて減少している. 調査の前後で,地域づくりにおける人的資源・社会関係・物的資源・労働環境・文化資本の5つの要素の重要性を聞いており,これらの価値観の変化との関連を検討中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
26年度は、連携研究者として参加している大型の科学研究費(基盤研究A)への負担が想定以上に大きくなっており、本研究に関わる調査は11月に行った東松島調査のみに留まっている。そのため、研究全体のスケジュールはやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度に行った実験結果の分析や評価はまだ手付かずの状態であるため、27年度には追加の実験と合わせて早急に研究に取りかかる。また、遅れた原因となっている基盤研究Aについて27年度も引き続き参加するが、ここでの中心となる実験は26年度に終了しているため、負担は大幅に減る見込みである。農漁村での合意形成は、26年度の実験結果をもとに評価枠組みを確立し、東松島市宮戸島の再調査・実験を試みる予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度(26年度)は、他の科学研究費(基盤研究A)の連携研究者としての負担が大きく、本研究で予定していた実験調査の一部しか実施できなかったため予定使用額を下回っている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度(27年度)では、当該年度に予定していた実験調査を含め実施していく。 支出内容では、実験準備と実施のために人件費・謝金に多く支出する計画で、旅費は学会発表シンポジウム等への出席に充てる。その他で中心のものは資料購入費(図書)であり、交通の不便な現地調査のためにレンタカーを利用することも考えている。
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