2015 Fiscal Year Annual Research Report
被災地の「環境復興」を促す社会科学的研究-持続可能・自立的地域社会モデルの構築-
Project/Area Number |
25550104
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Research Institution | Suzuka University |
Principal Investigator |
渡邉 聡 鈴鹿大学, 公私立大学の部局等, 講師 (80584896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 洋枝 南山大学, 総合政策学部, 准教授 (70611094)
松野 正太郎 名古屋大学, 環境学研究科, 講師 (60547503)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 災害復興 / 環境復興 / ソーシャルキャピタル / レジリエンス / コミュニティ |
Outline of Annual Research Achievements |
27年度の研究実績として、[1]岩手県でのソーシャルキャピタルが人々の復興感に及ぼす影響に関するweb調査の実施、[2]東北三県(岩手・宮城・福島)の被災地におけるソーシャルキャピタルと人々の復興感に及ぼす影響に関するweb調査の実施、[3]災害復興におけるソーシャルキャピタルとレジリエンスに関する経済学的研究、[4]「環境復興」と社会的ネットワークの影響に関する社会心理学的研究、以上四点が挙げられる。 [1]は平成27年6月、[2]は平成27年11月末に実施した。これらの調査結果から、復興の満足度について、沿岸部の人たちの方が不満を持っていることが統計的に有意な結果が得られた。具体的には、「道路や建物などの生活インフラの再建」「雇用や教育などの機会の整備」「普段の生活に戻れたという実感」だけでなく、「海や里山の保全などの自然環境」も内陸部より沿岸部の方が不満であることが示された。一方、「近所づきあいなどの地域における人とのつながり」は有意な差は見られなかった。このことから、インフラ整備と震災復興との関係性について、沿岸部の人々は内陸部に比べ、弱い否定的、もしくは弱い肯定的意見が強いことが統計的に明らかになった。この成果は、上記[4]としてまとめられ、28年7月の第31回国際心理学会議(ICP2016;2016年7月24日―29日,横浜)で報告する予定である。また、災害復興と地域のレジリエンス、ソーシャルキャピタル・環境再生の議論から「環境復興」の定義に関して、渡邉聡(2016)「被災地域における復興プロセスとソーシャル・キャピタルの効果」(『鈴鹿大学紀要CAMPANA』No.22,p. 93-106)としてまとめた。
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Research Products
(2 results)