2014 Fiscal Year Annual Research Report
コミュニケーションツールとしての側面に着目した警笛に関する国際比較研究
Project/Area Number |
25560005
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高田 正幸 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 助教 (40315156)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 警笛 / 意識調査 / 使用意図 / 吹鳴パターン / 心理的反応 / 交通行動モデル / 韓国 / 国際情報交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
韓国・ソウル市およびプサン市において,警笛の使用に関する意識調査を行った。運転者は危険報知や注意喚起の目的で短めの警笛を多く用いていた。一方,日本の調査で多く見られた,お礼や挨拶を意図した警笛の使用は少なかった。 警笛の聴取者への影響や,運転者による警笛の使用とそのときの周囲の状況の関連を検討するため,運転者自身が警笛を使用した事例や他の運転者に鳴らされた事例についての回答にクロス集計を適用した。結果として,警笛の吹鳴パターンと使用した相手や目的などの項目間に有意な対応関係は見られなかった。これは日本の状況と異なり,運転者が相手や目的によって警笛を使い分けるような習慣がないことを示唆する結果と考えられる。警笛を鳴らされた運転者の心理的反応はさまざまであったが,歩行者では不快感に類する反応が多く,特に危険報知のための短めの警笛に対して「驚いた」という反応が際立っていた。 本調査では,運転者の警笛の使用につながる心理的要因を検討するため,藤井(2002)の交通行動モデルをもとに,運転者に対して自動車の運転における規範意識や警笛の使用に対する意識などを尋ねる質問を設けた。これらの質問と警笛の使用に関する回答をクロス集計したところ,「知覚行動制御性(行動の容易さ,あるいは困難さ)」の心理的要因に対応する「普段から警笛をよく鳴らすか」の質問と警笛の使用意図および吹鳴パターンの関連が認められ,普段あまり警笛を使用しない運転者は,注意喚起や危険報知の目的で,「短く1 回」「短く2 回」といった吹鳴パターンの警笛を使用することが多いことが分かった。警笛の使用に対して抵抗感がある運転者は,注意喚起や危険報知など,必要に迫られた状況下で短めの警笛を使用する傾向にあると推察される。 以上の知見は,警笛の使用方法や警笛音のデザインを立案する際に有益な情報を与えると考える。
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[Presentation] Survey on vehicle horn use in urban areas of Korea2014
Author(s)
Masayuki Takada, Satoshi Suzuki, Ki-Hong Kim, Shin-ichiro Iwamiya
Organizer
43rd International Congress and Exposition on Noise Control Engineering (INTER NOISE 2014)
Place of Presentation
Melbourne Convention and Exhibition Centre
Year and Date
2014-11-16 – 2014-11-19
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