2013 Fiscal Year Research-status Report
いらなくならないロボット:身体性は何を再定義できるか?
Project/Area Number |
25560014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
山本 倫也 関西学院大学, 理工学部, 准教授 (60347606)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 身体的コミュニケーション / コミュニケーション支援ロボット / ライフログロボット / 自分ロボット |
Research Abstract |
ロボットに新しい価値の開拓が求められる時代になった。本研究では、それが何であるのかを明らかにすることが先決と考え、その第一歩として、既存のロボットでも、おもちゃでもない、日常生活に溶け込む新しいロボットを開発する。この実現の鍵は、身体性を活かして身の回りのモノを再定義することと、その存在を邪魔にさせない、くせになる機能で、ロボットをいらなくならないようにすることにある。そこで、以下のようなロボットの開発に挑戦した。 まず、情報端末に身体性を付加して、コミュニティを円滑にし、毎日を愉しくするロボットとして、ライフログロボット「きろぴー」を開発した。ライフログでは、従来より、スマートフォンなどの情報端末を日常的に持ち歩き、記録したログを他の人に紹介するインタラクションが行われてきた.このようなコミュニケーションツールとしての端末に、人のコミュニケーション・インタラクションの本質である身体性を付加することで、例えば撮影時に場が盛り上がるなど、人とのかかわりが大きく変化することを明らかにした。 また、カメラ・USBメモリ等の個人記録に身体性を付加して、大切に持ち運びたくなるロボットを目指して、利用者の分身のような「自分ロボット」を開発した。これは、使用者の顔を再現したお面を付けることで、ロボットを介したコミュニケーションにおいて感情移入をしやすくするインタフェースで、会話の盛り上がり支援等が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画で記載していた情報端末ロボットについては、ハードウェアの開発を終え、さらに、ライフログに機能を特化させた場合の、有効性の検証を行うことができたため、当初計画以上に進展したと判断した。また、大切に持ち歩きたくなるロボットの研究においても、「自分ロボット」というコンセプトを提案し、ハードウェア開発をおおむね完了できたため、より具体的に研究を進めることが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
ライフログロボットについては、おおむね研究実施計画に基づいて推進しているため、これを継続する。「自分ロボット」については、当初はデータ共有のための仕組みとして研究開発する予定であったが、場合によっては、身体性による効果をより明確にするなどして、解析・評価によって得られた知見を導入し、体系的な研究開発を進めることも検討したい。いずれも、各種イベント等の場で公開し、実用環境でのテストを行うと共に、色々な年齢層や立場の方々に実際に触れてもらうことで、ロボットの有用性の検証や、問題点の早期発見を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国際会議で情報収集する予定であったが、国内の会議等で相当する情報を収集できたため。 モバイルPC等、デモで利用可能な機材の購入等で使用する。
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