2013 Fiscal Year Research-status Report
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25560020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
久保 博子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 准教授 (90186437)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 睡眠 / 日常生活 / 活動量 / 睡眠深度 / 被験者特性 / 大学生 / 高齢者 / 脳波計測 |
Research Abstract |
1日の1/3 を費やす睡眠について、睡眠医学的な研究は様々に進んでいるが、日常睡眠に関する研究、特に実際の睡眠がどの様であるかについて調査したデータは殆ど無く、実験室実験での8時間睡眠をとらせた場合と同じ睡眠であるかどうか明かではない。そこで、睡眠や日常生活に関する生活調査と、近年開発された小型機器を用いて、実際の睡眠状態(睡眠時間、体動、睡眠の質)を自宅の寝室で体動センサー、簡易脳波計を用いて計測し、日常生活や生活時間、生活環境の影響を検討する目的で以下の実測を行った。 (1)アンケート調査:本学学生、311人を対象として、日常の睡眠と生活行動との関連に関して調査を行った。その結果、平日・休前日の夜の就床時刻は0時20分、0時32分で、起床時刻は6時56分、8時20分で有意差が認められ、平日の平均睡眠時間は6時間36分と短かった。一方、日中に眠気を感じる人は80%、居眠りをする人は60%、昼寝をする人は44%で、眠気への影響が大きいのは平日の就床時刻、睡眠時間が規則的であること、血圧が低いこと、通院や服薬があることなどであった。眠気が日常生活に支障をきたすことがある者は73%だった。 (2)青年における自宅睡眠実態計測:普段と同様、自宅の寝室における睡眠状態を学生10名で計測した。2週間程度の体動センサーによる日常生活調査を行った。被験者の普段通りの睡眠日では就床時刻が25:11(±0:36)、起床時刻は7:28(±0:45)、睡眠時間が5時間59分(±44分)で、主観的な眠気の指標スタンフォード眠気尺度(SSS)などで睡眠不足の状況が伺えた。自宅での脳波計測も行った。 (3)高齢者における自宅睡眠実態計測:青年と同様、自宅の寝室における睡眠状態を計測する。高齢者については計測が困難であるので2日間の計測を試みた。脳波的睡眠深度等は検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
実験計画では、調査ができるかどうかの検討とともに、(1)アンケート調査、(2)学生被験者による日常生活と睡眠実測調査、(3)高齢者被験者による日常生活と睡眠実測調査、を中心に検討することとしている。 今回、平成25年度の計画であった睡眠アンケートを大学生を対象にして、行う事ができた。これらに関しては、今後詳細な検討が必要である。また、平成26年度の計画であった若齢者と高齢者の自宅での睡眠計測を一部行う事ができ、データについては解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
アンケート調査内容について、統計解析ソフトspssを用いて,詳細に解析する。とくに、要因分析、多変量解析などの手法を用いて、詳細な検討が必要である。 実測調査の結果について、体動計測を中心に解析を行ったが、簡易脳波計での計測結果をもとに、詳細に脳波的睡眠深度を判定する必要がある。また、この睡眠深度等と体動センサーの計測値や自己申告等との検討を行う。高齢者被験者での実測調査に関しては、特に体動との関係や脳波的な睡眠深度など解析を行う必要がある。 従来型の数点での脳波計測との妥当性の実験もおこなったが、例数が少ない為、これらを多くし、さらに、実測調査での脳波計測の精度を高める必要がある。
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Research Products
(3 results)