2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25560020
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
久保 博子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (90186437)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 人間生活環境 / 日常生活 / 実測調査 / 睡眠環境 / 体動量 / 睡眠深度 / 住環境 / 温熱環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
日常睡眠に関する計測について、実験室での実験での睡眠と日常での実測での睡眠の計測により生理反応や心理反応にどの様に違いがあるか、また日常生活での睡眠状態を自宅で計測し睡眠の質を判断するために実測調査及び実験室実験を実施し、データを取得した。 (1)昨年度実施した青年による自宅睡眠実態計測、および高齢者における自宅睡眠実態計測調査に関する解析を行った。特に、脳波の計測結果の解析を主に行い、室温環境、被験者の体動量および脳波的睡眠深度、主観申告等との関連について検討し、睡眠の質の解析を行った。その結果、自宅実測に用いた脳波計で、青年のデータだけでなく高齢者でも、適切に睡眠深度の判定が可能であることが実証された。これにより、脳波的睡眠深度をもちいて、日常生活環境による睡眠の質の違いを判定できた。 (2)昨年度、高齢者において夏期に睡眠実測調査を行ったが、今年度は冬期に睡眠実測調査を行った。今回は、被験者の負担を考慮し、主に、寝室環境、被験者の体動量、主観申告を中心に、季節差や年度差を中心に解析を行った。その結果、冬期の室内環境は、15℃以下の場合が多く、ほとんど暖房を使用しておらず、寒冷室内で寝床内暖房を使用して睡眠を取っていた。主観申告ではよく眠れているという評価が多く認められた。 (3)昨年度行った高齢者の睡眠実測調査を更に検証するため、夏期に再度、寝室環境、被験者の体動量、主観申告等を中心にした睡眠実測調査を行い、睡眠環境と主観申告等の関連を検証した。その結果、熱帯夜が少ない夏であったが、高齢者の主観的睡眠感はほぼ同程度であった。 (4)実験室における青年男女を被験者とした睡眠実験を行い、体動量と脳波、主観申告等の計測をおこない、睡眠の質に関する解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高齢者男女および青年男女での実測調査を行い、当初の予定より多くのデータを取得することができた。今後、取得データの詳細な解析を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
以上の2年間の実測調査結果を中心に、日常生活における睡眠状態に関する解析を行うとともに、日中の生活行動との関連を検討する。特に、以下の点について多変量解析等の統計解析手法も含めて詳細に検討する。また、必要であれば補足実験または補足調査を行う。 (1)簡易脳波計と体動センサー、心理申告のデータを元に、日常生活における睡眠の状況を把握した場合、どの程度の妥当性があるか。計測上の問題点はないか。実験室での睡眠実験と実測調査での睡眠調査における睡眠状態、特に、睡眠の質の評価はどの様に異なるか。 (2)青年(大学生)の日常睡眠の状態はどの様か、日中の生活行動と睡眠の関連について解析し、影響量を検討する。 (3)高齢者の日常生活と日常睡眠の状態について検討を行う。日常睡眠に生活環境や生活行動がどの様に影響を及ぼしているか検討する。 (4)睡眠を検討する場合に重要なサーカディアンリズムにかかわる体温変化を皮膚温などで検討できるか、睡眠実験結果から検討を行うと共に、体動や心理申告等のデータでどの程度評価出来るか解析を行う。
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Research Products
(4 results)