2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25560021
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
菊地 るみ子 高知大学, 教育研究部人文社会科学系, 教授 (40127923)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / 中国天津市 / 学校教育 / 食育カリキュラム開発 / 幼稚園教育 / 品徳と生活 / 品徳と社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
中国の学校教育における食育カリキュラム開発の支援を研究目的として、2013年度、2014年度の2度にわたって中国の天津師範大学の劉 智萍講師を高知大学に招聘し、共同研究を遂行した。劉氏の滞在時には、食物学担当の柴 英里講師の協力を得て、日本における食物学の知見と中国の子どもの食生活の実態・食育状況を共有し、いかにすれば中国の学校教育制度の中で食育が可能かを検討した。そこでの知見をもとに、劉氏は中国で教育関係機関に協力を求め、食育の必要性を働きかけて、大学での食育実践に取り組んでいる。 まず、中国における子どもの食生活の実態について、各種データを収集して分析した。その結果、中国の子どもたちには朝食欠食、清涼飲料やファーストフード消費量の増大、間食の消費率増大、脂質摂取量増大など、食生活をめぐる問題があることを把握した。 つぎに、食育の現状を把握するため、幼稚園の副読本と小学校の「品徳と生活」「品徳と社会」の教科書分析を行った。その結果、幼稚園で食育に関する取組が実施され始めていること、「品徳と生活」では、食品群・野菜の役割・朝食欠食や食べ過ぎ・菓子や清涼飲料の過摂取の問題などが扱われていた。「品徳と社会」では生命尊重、食品の安全性や消費者教育が扱われていたが、高学年になると次第に減少し、6年生では日本の食文化として刺身が取り上げられているだけであった。これらについて、研究論文を3報共同執筆した。 2014年3月には柴氏と菊地が中国天津市を訪問し、劉氏とともに小学校における食育の取組について、教員ならびに教育関係者に聞き取り調査を行った。さらに小学2年生の食育実践を観察し、分析し、研究論文を共同執筆した。また、飲料の糖分に着目し糖度計で確かめる実践のため、糖度計を購入しノウハウを支援し、劉氏が大学での家政教育授業で実施し、データを収集した。現在、研究論文執筆の準備中である。
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Research Products
(3 results)