2013 Fiscal Year Research-status Report
住と生活の不一致と貧困ビジネスを抑止する「住確マッチングシステム」の開発
Project/Area Number |
25560023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
葛西 リサ 大阪市立大学, 都市研究プラザ, 都市研究プラザ・特別研究員 (60452504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高澤 由美 山形大学, 理工学研究科, 研究員 (20509054)
堀江 尚子 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (50598943)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 居住貧困 / 住生活 / 住確保マッチングシステム / 貧困ビジネス / 生活保護 / 家賃補助 / 住宅政策 / シェアハウス |
Research Abstract |
本研究は生活保護受給者の住まいの質の向上と生活保護を悪用した貧困ビジネスの抑止に向けて、住宅扶助による住宅確保の際の生活ニーズ(ソフト)と住宅(ハード)のマッチングシステムを開発することを目的とする。 さしあたり、初年度は、全国における、低所得階層向け居住者ニーズと住まいのマッチングを行っている先駆事例の整理を行った。 まず、自治体Aにある団体aは、社会的弱者の住生活支援を行なっている。団体aは、不動産業者との連携(紹介、仲介、斡旋等)を通じて、当事者の状況から、どういったタイプの住まいがニーズに合致するかをマッチングしていくということを行っていた。民間住宅市場は、空きが増大しているが、困窮層あるいは、ケアの必要となる層を排除する傾向にある。これは、独居死、近隣トラブル、家賃滞納を避けるためである。しかし、こういった団体が後ろ盾になり、当事者の見守り等のケアを付することで、民間賃貸住宅市場が困難層に門戸を開き、結果、入居する側の当事者にとっても、住まいの選択肢が広がるという事例であった。また、独居が難しい場合には、集住(シェアハウス型)を促すなどといった支援も行っていた。 このほか、自治体Bにある団体bは、自社で住宅を借り上げ、サブリースにより、困難層に住まいを提供していた。その際、入居希望者に、アセスメント表を記入してもらい、当事者のニーズを掘り起こすということをやっていた。また、自治体Cにある団体cは生活保護層のニーズに合致する住まいのアセスメントを行うなどといった活動をしていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、計画していた、国内事例調査については、いくつかの事例を収集し、整理することができた。このほか、来年度の調査項目である、様々なタイプの社会的弱者、居住困難層を扱う団体に対しても、ヒアリングを継続しており、マニュアル作成後の試行提供の賛同を得ている。 また、分担研究者及び生活保護施設職員らとは、マッチングシステムに欠かせない要素についても議論を重ねており、来年からのマニュアル試行に向けての準備が着々と進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の調査結果を受けて、来年度は、マニュアルの策定を行う。その後、住宅弱者を救済する団体等に、試行提供を持ちかけ、その成果を記録、調査する段階に入る。 このほか、既に、アセスメントシートを活用している団体bに対して、仕上がったマッチングシステムを試行してもらい、その評価等を更にシステムにフィードバックさせたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
論文発行費用が、想定額よりも、低かったため。 来年度は、現場との活動がメインとなると想定され、そこに対する人件費に充てる予定である。
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Research Products
(7 results)