2014 Fiscal Year Research-status Report
応急仮設住宅におけるコミュニティづくりに関する実践的研究 -いわき市を事例に-
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25560025
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
陣内 雄次 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (70312858)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 復興コミュニティ / 復興まちづくり / 子ども参画 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、メインの研究フィールドであるS応急仮設住宅(福島県いわき市)の集会所にて、継続して月1回の頻度で交流イベント(カフェ、駄菓子屋等)を開設し、仮設住宅に住まう住民の交流促進に資するとともに、子どもたちとの信頼関係構築に努めた。特に、子ども参画にもとづく自立的な復興コミュニティづくりのあり方を追求するため、東北子どもまちづくりサミットでの情報収集、高校生カフェ(石巻市)の現地調査、高校生へのアンケート調査、高校生まちづくり交流報告会などを実施した。その結果、まちづくりに積極的な子どもたちであっても、まちづくり参画のためのきっかけづくり、継続的な大人のサポートを必要としており、活動の持続可能性を高めるために不可欠であることが明らかになった。加えて、協働プラットフォームづくりと子どもの復興まちづくり参画の効果検証のため、宇都宮市内及びいわき市内のNPO法人などとの交流ワークショップ、いわき市内の復興まちづくりの関係者などが参画する総括シンポジウムなどを開催した。その結果、震災後4年という時間経過のなかでの被災地以外の住民の関心の希薄化という危機感を共有できたとともに、今後の復興まちづくりにおいては、被災地の経済的自立(つまり、被災地にて暮らし続けることを可能とする生業づくり)の重要性、加えて総括シンポジウムのように多様な主体が自由に意見交換する場の必要性が強く指摘された。また、子どもの参画についてはポジティブな評価が多く、子どもの活動が大人に与える好影響が指摘された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定どおり、1)メインの研究フィールドであるS応急仮設住宅(福島県いわき市)での交流イベントの開催と情報収集(加えて、子どもたちとの信頼関係の構築)、2)子ども参画にもとづく自立的な復興コミュニティづくりのあり方の検証(高校生カフェの調査、高校生へのアンケート調査、高校生まちづくり報告交流ワークショップ)、3)協働プラットフォームづくりと子どもの復興まちづくり参画の効果検証のための交流ワークショップと総括シンポジウムの開催を実践することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
以上の研究成果やシンポジウムの内容などを参考に、研究報告書をとりまとめるとともに、復興コミュニティづくりに関するブックレットを作成することを目指していたが、上記総括シンポジウムが関係者の都合により2014年3月22日になってしまったため、 研究報告書、ブックレットの作成は未達である。2015年度中に研究報告書、ブックレットのとりまとめを行う。
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Causes of Carryover |
2年間のの研究成果やシンポジウムの内容などを参考に、研究報告書をとりまとめるとともに、復興コミュニティづくりに関するブックレットを作成することを目指していたが、上記総括シンポジウムが関係者の都合により2014年3月22日になってしまったため、研究報告書、ブックレットを2014年度中に作成することが困難であった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度に研究報告書とブックレットのとりまとめを行う。そのための印刷代、企画編集代などで支出する予定である。
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Research Products
(2 results)