2013 Fiscal Year Research-status Report
異なる調光方式のLED照明によるメラトニン分泌抑制作用
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25560027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小崎 智照 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 助教 (80380715)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 光 / LED / メラトニン |
Research Abstract |
夜間照明は我々の生活を安全にした反面、健康リスクを高める可能性が指摘されている。国際ガン研究機構(IARC)はシフトワークを“おそらく発癌性がある(グループ2A)”に指定している。このメカニズムとして、夜間照明によるメラトニン分泌抑制が示唆されている。このような光による生体への作用は、古くから知られている桿体細胞や錐体細胞といった光受容器ではなく、メラノプシン含有神経節(mRGCs)という新たに発見された光受容器に由来するとされている。これまでの研究より、メラトニン分泌抑制は光の曝露強度や曝露時間、波長に依存することが明らかになってきた。しかし、mRGCsは古くから知られている光受容器とは光に対する時間応答特性が異なることが報告されている。つまり、同じ波長の光を同じ曝露量(光強度×時間)で曝露しても、短時間だけ発光する高速点滅光と一定に発光している光ではmRGCsに対して異なる作用をする可能性がある。しかし、このような光の時間的発光特性に着目した研究は非常に少なく、時間的発光特性の異なる光によるメラトニン分泌抑制作用は検討されていない。そこで、本課題では、異なる時間的発光特性の異なる光によるメラトニン分泌抑制作用を検討した。1年目は波長が同じLED照明を用い、単位時間における光強度(放射照度)を統一した場合での高速点滅光と一定に発光させた光(定常光)を用いて、それぞれのメラトニン分泌抑制作用を評価した。実験は、メラトニンが分泌される深夜(午前0時から午前2時30分)に行った。光曝露前後にメラトニン分泌を評価するために唾液を採取した。本実験の結果、光曝露後のメラトニン濃度は、高速点滅光より定常光で高い傾向が得られ、高速点滅光は定常光よりもメラトニン分泌抑制作用が低いことが示唆された。この結果より、夜間照明としては定常光よりも短時間だけ発光する高速点滅光が適していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、短時間発光の高速点滅光が定常光よりも低いメラトニン分泌抑制作用である可能性を示すことができた。この成果は、当初の年度計画を達成するものである。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の成果は当初の年度計画目標を達成した。しかし、曝露する光の強度によって桿体細胞とmRGCsのメラトニン分泌抑制への寄与率が異なることが示唆されている。つまり、曝露する光強度が異なる場合には、メラトニン分泌抑制へのmRGCsの寄与率が変化し、高速点滅光の効果も異なることが考えられる。したがって、今後は異なる光強度での作用を検討する。具体的な光強度として、初年度の光強度は40μW/㎝2であり桿体細胞の光に対する応答が飽和した光強度であった。そこで、次年度は桿体細胞の光応答が飽和しない程度の光強度にて高速点滅光と定常光のメラトニン分泌へ与える影響を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者が業務多忙となったため、本研究に関する情報収集や成果発表の時間が十分にとれず、予定していた旅費の一部が繰り越しとなった。 次年度使用額は初年度の研究成果を学会等にて幅広く発表するため出張旅費に充てる。
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Research Products
(1 results)