2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25560049
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
芦田 均 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (90201889)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | プロシアニジン / インクレチン / 保健機能食品 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年は、プロシアニジンの作用機構に関する研究を実施した。 (1)インクレチンホルモンであるGLP-1はDPP-4により速やかに分解されるため、単離したプロシアニジンにDPP-4阻害活性がないかを検証したところ、阻害効果がないことが判った。すなわち、プロシアニジンはDPP-4阻害ではなく、GLP-1の分泌そのものを上げていることが強く示唆された。 (2)用いたプロシアニジン4種とこれらの単量体であるエピカテキンのうち、膵臓からのインスリン分泌を有意に上昇させたのは、4量体であるシンナムタンニンA2だけであった。シンナムタンニンA2の作用機構として、膵臓からのインスリン分泌メカニズムについては、既報と同じく、GLP-1がその受容体に結合し、cAMP濃度の上昇によりPKAが活性化され、カルシウムイオンの細胞内濃度の上昇によりインスリンの脱顆粒が起こり分泌量が増大したと考えられる。その結果、シンナムタンニンA2を投与したマウス筋肉において、分泌されたインスリンにより、その受容体(IR)のリン酸化、下流でIRS-1、PI3K、Aktのリン酸化が促進され、GLUT4の膜移行が促進されたと考えられた。一方、他のプロシアニジンはインスリン分泌を起こさず、IRやIRS-1、AktのThr308のリン酸化は変化がなかったが、PI3KとAktのSer473のリン酸化が促進された。すなわち、インスリンとは異なるがインスリン情報伝達経路の一部を活性化することでGLUT4の細胞膜移行を促進することが判った。また、いずれのプロシアニジンもAMPKをリン酸化させたことからAMPK経路を経てGLUT4が細胞膜移行することも示唆された。
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Research Products
(8 results)