2014 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠期食生活に応じたメチル基供与体の胎児移行機構制御とエピゲノム変動
Project/Area Number |
25560063
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
登美 斉俊 慶應義塾大学, 薬学部, 准教授 (30334717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 友宏 慶應義塾大学, 薬学部, 講師 (40453518)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 胎盤関門 / メチル基供与体 / トランスポーター |
Outline of Annual Research Achievements |
エピジェネティックな胎児期プログラミングに必要となるメチル基供与体について、胎盤関門輸送を担うトランスポーターとその調節機構を明らかにするため、研究を実施した。 胎盤関門におけるベタイン輸送を担うことが示唆されたSNAT2トランスポーターについて、胎盤関門母体側細胞膜における機能発現を定量的に明らかにするため、ヒトおよびラット胎盤刷子縁膜ベシクルを用いた解析を行った。その結果、ラット胎盤刷子縁膜ベシクルにおいてSNAT2活性を反映するベタイン感受性のメチルイソ酪酸輸送活性が検出されるのに対し、ヒト胎盤刷子縁膜ベシクルでは検出することができず、SNAT2発現における種差が示唆された。 胎盤関門におけるメチオニン輸送を担うとされているLATトランスポーターについて、ラット胎盤における発現局在を免疫染色法で解析した。その結果、LAT1トランスポーターはラット胎盤関門の母体側細胞膜にCD98と共に局在することを明らかにすることができた。一方、LAT2に関しては明確なシグナルが得られなかった。また、LAT1基質の中でも胎盤透過性の高い基質と非透過性マーカーであるsucroseと同程度の基質が存在することが明らかとなった。一因として、胎児側細胞膜における膜透過機構の違いが考えられる。LATを介したメチオニンを含むアミノ酸の胎盤透過性は非常に高いと考えられるものの、母体側細胞膜だけでなく胎児側細胞膜における輸送機構にも着目すべきであることが示唆された。 葉酸拮抗物質の細胞内からの排出に関与するABCG2のDNAメチル化レベルとその変動を胎盤関門モデル細胞株であるTR-TBT 18d-1細胞を用いて解析した。その結果、ABCG2プロモーター領域におけるDNAメチル化レベルは低いことが示された。
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