2013 Fiscal Year Research-status Report
科学コミュニケーション力を備えた課題追求型人材育成
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25560090
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
鈴木 直 関西大学, システム理工学部, 教授 (40029559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 健 関西大学, システム理工学部, 准教授 (10370173)
浅川 誠 関西大学, システム理工学部, 教授 (30280704)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 科学コミュニケーション / 課題追求型人材育成 / センサーの効果的利用 |
Research Abstract |
1.今年度は大阪教育大学附属高校の物理教師以外に関西大学併設校である北陽高等学校の物理教師と連携することにより、センサーを用いた学習の高校生に対する有効性を再検証することができた。また、本経費で購入した霧箱を用いて放射線に関する課題を実践することができ、社会的にも関心の高い問題にも興味を持たせ、社会と科学技術の関わりを考えさせることができた。 2.「理数の教育」の履修者で、中等教育の教師を希望する学生に対し、中・高生の意欲・関心を高めると同時に理解を促進するような教材開発に取り組ませた結果、ホイヘンスの原理及びホイヘンスの原理による反射を超音波を用いて可視化することに成功した。 3.「理数の教育」履修者4名が、大阪市立科学館のプロジェクト「自然科学の基礎を訪ねる」に参加し、科学館における科学・技術の歴史や社会の関わりについての展示物を通して、科学・技術と社会の関わり方について学生自らの考えを深めるとともに、科学館の展示を来場者に説明することにより、科学コミュニケーション力を高めることができた。また、このプロジェクトに参加している他大学の学生との交流を通して視野を広めることができたのも大きな成果であった。 4.関西大学の併設校である北陽高等学校で平成26年3月に「コミュニケーションを活用した物理・科学教育の試み」という題名の高大連携研究会を開催した。これには、大学教員3名、高校教諭16名、理科教材企業関連者5名、大学生7名が参加し、科学コミュニケーション能力を高める教育の実践報告、生徒が能動的に取り組む課題追求型教育の実践報告、センサーを用いた教育方法の開発等に関する発表・討論が活発になされ、高大連携のみならず高高連携をさらに推進する体制が整えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
センサーを用いた学習が我々の学科の学生や大阪教育大学附属高校の生徒に対しては有効であることはすでに実証済みであったが、今年度は関西大学併設校である北陽高等学校の生徒に対しても有効であることを確認することができた。 中等教育の教師を希望する学生が、ホイヘンスの原理及びホイヘンスの原理による反射を超音波を用いて可視化することに成功した成果を研究会で発表したところ、高校の先生方から、高校の現場ですぐに活用できる教材であるとの高い評価を受けた。 大阪市立科学館の協力を得て「自然科学の基礎を訪ねる」に参加した学生は、今までの学内だけの活動だけはなく、学外での活動も経験することにより、より能動的に活動する姿勢が身についた。また、高槻市や吹田市の小学校に対する出張講義に学生が参加することにより、非専門家に科学の重要性や面白さを伝える訓練をすることができた。 高大連携研究会「コミュニケーションを活用した物理・科学教育の試み」を開催した結果、科学コミュニケーション能力、課題追求型人材育成、センサーを用いた教育に対する関心度が非常に高いことがわかり、これらに関する高大連携、高高連携をさらに推進する機運が高まった。
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Strategy for Future Research Activity |
我々の取り組みの方向性は正しい方向に向いているとの確信を得たので、今後も今年の取り組みをさらに拡大・発展させることを目指す。すなわち、センサーを用いた教育・学習、学生自らによる理科教育教材の開発、大阪市立科学館との連携、地元の小・中学校への出張講義を、さらに推進・強化することにより我々の目的は達成できると考えている。 また、今年度開催した研究会において、ある高校の英語教師が、英語の授業におけるコミュニケーション能力育成の題材として、科学を取り上げて、教育を行っているとの発表があった。この試みは、グローバルな科学者・技術者の育成という観点から非常に興味深く、今後、物理や化学で閉じた連携をするのではなく、英語まで含めた高大連携を考えていくのも新たな取り組みとして重要であると感じている。
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Research Products
(1 results)