2014 Fiscal Year Annual Research Report
ビデオベース視線検出アルゴリズムの開発・実装と教育工学への応用
Project/Area Number |
25560105
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
西原 明法 東京工業大学, 社会理工学研究科, 教授 (90114884)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 視線検出 / 完全受動型 |
Outline of Annual Research Achievements |
通常のカメラで撮影した比較的低解像度の不特定の人物顔画像から、視線方向を推定するシステムを提案、開発した。提案システムは、画像中の人物顔特徴点座標を抽出し、顔表情の影響が少ない特徴点の位置関係を利用して顔姿勢の推定及び眼球位置の推定を行い得られた眼球周辺画像と、眼球の回転と瞼の開閉度をパラメータとして持つモデルにより生成したコンピュータグラフィック画像とのマッチングを行い、マッチングが最大となるときの眼球回転角を採用することで視線方向の推定を行う。 瞼モデル導入の効果を確認するため、被験者頭部を固定し眼球位置を既知とした上で、被験者へ注視対象を提示し、瞼モデルの有無による推定誤差評価実験を行った。その結果、目より上方を注視する時は推定誤差に大きな違いは無かったが、目に対し同じ高さおよび下方の対象を注視する時、瞼モデルによる大幅な推定精度改善が見られた。上方の対象を見る時は瞼が虹彩をあまり隠さないが、同じ高さ、下方を注視する時は瞼が虹彩を隠しがちのため、瞼モデルの導入が有効であることが示された。 次に頭部を固定しない状態での実験を行った結果、平均誤差は13.7°となり、眼球位置が既知の場合の実験での誤差5.00°から大幅に悪化した。提案システムでは顔特徴点の位置関係から、個人差に適応せずに顔姿勢や眼球位置の推定を行うため、それらが既知の場合と比べ推定精度が悪化しと考えられる。目と同じ高さの対象を注視するときは、上下方向を注視するときよりも精度が高かった。顔を固定しない場合、上下方向を見ると、虹彩の見える面積が単調に減り、提案システムにおいて考慮されていない撮影画像中の影やまつげなどが推定精度に大きく影響するためだと考えられる。 提案システムを用いることで、撮影カメラ近傍から遠い距離にある不特定の被験者に対して、どちらの方向を見ているかの大まかな分析が可能になった。
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