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2013 Fiscal Year Research-status Report

相互理解を促進させる交易理論に基づく協調的思考力を育成する指導方法の開発と評価

Research Project

Project/Area Number 25560114
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research

Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

越智 泰樹  広島大学, 社会(科)学研究科, 教授 (90204221)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 森田 裕介  早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (20314891)
岡村 誠  広島大学, 社会(科)学研究科, 教授 (30177084)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywords交易ゲーム / 信頼感 / リカードモデルの実験 / 総合的な学習 / 貿易理論
Research Abstract

本研究では,信頼感の有無が取引量を左右する交易ゲーム教材を開発し,相手の立場に共感し協調的に問題解決を行う思考力の育成を目指す.目標達成のために,a. 交易理論に「信頼感」の要素を加え,協調的問題解決活動を促すゲーム学習教材の開発,b. 上記教材を用いた指導方法と活動支援システムの開発と評価,c. 上記指導方法とシステムを運用するためのカリキュラム開発と実践利用に取り組む.
本年度は,交易理論の要件の構造化と「信頼感」を加えたゲームのフレーム作りのための予備調査として,交易理論をゲーム化し,30名程度の大学生を実験協力者として活動に参加してもらった.交易理論に「信頼感」を加えた理論モデルをつくり,ゲームの要件の構造化を行った.構造化したゲームの要件を用いてカード式の交易ゲーム教材を開発した.開発ゲームを用いて,大学生300名,中学生106名を対象に実験を行った.開発教材は中学生も理解可能なことがテスト結果から明らかになった.中学生対象の質問紙調査から,「信頼感」を構成する尺度として「利己主義的人間観尺度」がゲーム学習の前後で有意に低下し,協力することに対してのメリットを理解できたことが示唆された.大学生を対象とした実験からは,交換ゲームに用いる財の名前によって,生産パターンがゆがむことが発見できた.このことは,従来の経済モデルでは指摘されておらず,詳細な分析が必要な項目として浮かび上がってきた.
上述の実験結果については,日本教育工学会論文誌と日本地域学会全国大会において報告を行った.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究は,「交易ゲームの構造化と信頼感の付加」「ゲームの過程可視化支援ツールの開発と指導方法の開発」「実践利用とその評価」の3段階からなる.まず,文献調査や専門家の経験と知識を整理して,交易ゲームを教室内で行える実験に置き換えられるようゲームのルールを整備した.生産力を決める要素である土地の面積,生産技術,労働力をそれぞれ,紙の面積,はさみの数と質,チームのメンバー数で表した.資源として紙を利用してはさみを使って生産物を算出し,トレードするゲームのフレームワークを整え,「信頼感」をカードによってメンバー,あるいはチームに与えてその効果が産出量や貿易量にどのように影響するか調査した.プロトタイプの実験を行うことはできており,おおむね順調に進展していると言えよう.

Strategy for Future Research Activity

昨年度の開発ゲーム教材では,「信頼感」を密告書としてチームに配布した.ゲームの回数(1回ゲーム,繰り返しゲーム)によって,密告書に対するプレーヤの戦略が異なった.例えば,1回限りの交換ならば相手をごまかしてもいいけれど何度も付き合う相手ならば正直に取引をする,あるいはその逆に,1回限りの取引では悪評判を取り返す機会はないけれど繰り返し取引があるのならば挽回の機会があるということが起こった.この点は,研究チームの予想に反しており,実験の中で見出された知見である.本年度は,密告書に対するプレーヤの態度がどのように決まるのか,なぜそのような態度をとったのかについてインタビューやゲーム中の発話を分析するなどして明らかにする予定である.そのため,経済活動になじみの少ない中学生を対象に実験を行う予定である.財の名前の効果を測定するために,群を分割して実験を行うためのゲーム教材の開発を行う.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

申請時に予定していた実験参加者数を、科研費配分額の減額に伴い縮小せざるを得なかった。このため、2校で実施予定であった実験を1校で行った。実験準備機材が少なくなったことにより、次年度繰越金が発生した。
本年度は、昨年度の実験結果をもとにパラメータを追加した実験を行う予定である。実験の記録機材、記録メディア、データ分析に必要な機材と謝金、実験を行うための打ち合わせや実験場所への旅費、研究成果報告旅費に充填する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2014 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 協力関係の効果を学ぶ交換取引ゲーム教材の開発と実践2014

    • Author(s)
      奥田麻衣,山本裕子
    • Journal Title

      日本教育工学会論文誌

      Volume: 37 Pages: 201-204

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 情報の非対称性を含んだ比較優位ゲームの実験-中学生と大学生の行動比較分析-2013

    • Author(s)
      奥田麻衣,岡村誠,越智泰樹
    • Organizer
      日本地域学会第50回年次大会
    • Place of Presentation
      徳島大学
    • Year and Date
      20131012-20131014

URL: 

Published: 2015-05-28  

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