2014 Fiscal Year Annual Research Report
相互理解を促進させる交易理論に基づく協調的思考力を育成する指導方法の開発と評価
Project/Area Number |
25560114
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
越智 泰樹 広島大学, 社会(科)学研究科, 教授 (90204221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 裕介 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (20314891)
岡村 誠 広島大学, 社会(科)学研究科, 教授 (30177084)
奥田 麻衣 神奈川大学, 経済学部, 助教 (90711549)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リカードモデル / 協調的問題解決力 / 相互理解 / 信頼 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,信頼感の有無が取引量を左右する交易ゲーム教材を開発し,相手の立場に共感し協調的に問題解決を行う思考力の育成を目指し,次の3点に取り組んだ.1)交易理論に「信頼感」の要素を加え,協調的問題解決活動を促すゲーム学習教材の開発,2)上記教材を用いた指導方法と活動支援システムの開発と評価,3)上記指導方法とシステムを運用するためのカリキュラム開発と実践利用. 人間の合理的利益の追求活動によって富が増大すると思われがちな貿易の根底には,sentimentsと呼ばれる「諸感情」が流れており,貿易の成立条件に「相互信頼」があることを明示的に取り込むことで従来の理論モデルに不足していた面を補い,より現実に近い交易シュミレーションを可能にすることができた.研究最終年度においては,利己的な行動だけでは交易量が増加せず,国が発展しないことを取引規模から直感的に理解させ,「信頼」によって生産及び交易活動が円滑になるゲーム学習教材を開発することによって,教育現場で求められている「相手を思いやる心」や「協調性」「責任感のある行動」を育てるための新しい指導方法と教材を総合的な学習の国際理解の単元で活用することの有用性を確かめられた.
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Research Products
(2 results)