2015 Fiscal Year Annual Research Report
国際交流力としての英語コミュニケーションの育成プログラム
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25560117
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
瀬田 和久 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50304051)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 国際交流力 / 英語コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
思考外化ツールに異文化理解への思考を促すオントロジーを組み入れ,国際交流力育成ワークショップを試行し実践ノウハウを得た.さらに,異文化理解への日本人学生の意識の変化と阻害要因に関する示唆を得た.議論での発言を直接指摘して教育するのではなく,互いの考えの前提や文化的差異に根ざす思考様式の深い理解力を涵養する教育プログラムの有用性が示唆され,これまでにない独自の成果が得られたと考えている.より具体的には,以下の研究成果を得た. 1-(a)オントロジーを基礎にして異文化理解へ意識向けることを促進する異文化理解促進タグを開発した.外国人と議論する際には,文化的背景・前提の違いを推定・理解する自己内対話の活性化を通じ,相手の考えを理解し,自分の考えを位置づけて伝える能力が必要となる.自国の同じ道徳観を前提とした議論では必ずしも必要とされないこのような思考の拡がり・深まりのきっかけとなる"自らへの問いかけ”を促す思考促進タグをオントロジーとして構築した.さらに,教育プログラムの本実施に先駆け,異文化理解促進タグを組み入れた思知を用いて,異文化理解ワークショップを試行実施した.思知に記述された思考と議論プロトコルを対照分析し,異文化理解思考促進タグを改良した. (2)そして異文化理解へ思考を向けることの気づきを促す3ステップからなる学習プロセスとして教育プログラムを開発した. (i)無統制での議論 (ii)気づきの触媒としての思知での思考記述 (iii)思考に目を向ける重要性の気づきを誘因する再議論 (3)オントロジーと教育プログラムを評価,改善した.異文化理解への意識の変化と阻害要因として,疑義の余地無き信念があり,それを揺り崩す刺激を与えることで,他人が間違っているのでは無く,自分が間違っているとの気づきを得る効用が示唆された.
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