2015 Fiscal Year Annual Research Report
中国コロニアル沿岸都市のメディア・ネットワークと東アジアの気候変動
Project/Area Number |
25560129
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
塚原 東吾 神戸大学, その他の研究科, 教授 (80266353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三上 岳彦 帝京大学, 文学部, 教授 (10114662)
小笠原 博毅 神戸大学, その他の研究科, 准教授 (20379332)
市川 智生 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (30508875)
財城 真寿美 成蹊大学, 経済学部, 准教授 (50534054)
飯島 渉 青山学院大学, 文学部, 教授 (70221744)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歴史気象学 / 気候再現 / 歴史地理学 / 気候学 / 科学史 / メディア史 / ブリティッシュ・インペリアリズム / 自然の数量化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトでは中国コロニアル沿岸都市のメディア・ネットワークと東アジアの気候変動について、いくつかの調査を行い、重要な歴史的資料を発見し、それらの気象学的解析および歴史的評価を行った。これは萌芽的な研究として、今後、より広い領域での気象学的研究、気候学的研究へとつながえるもので、またこれらの研究プロセスからは、東アジアのいわゆる中国コロニアル沿岸の諸都市を結ぶメディア・ネットワークの重層性・輻輳性も明らかになってきており、その非常に豊かな歴史的な資料や、歴史的調査の可能性(国際共同研究の可能性)を垣間見ることができた。以下、今回の萌芽的な調査研究プログラムを遂行するなかで明らかになってきた3つの点をここに記す。 (1)ホンコンを中心とする気象観測ネットワークの研究。香港はいわゆる「大英帝国のメディア・ネットワーク」のハブである。ここで発行されていた新聞に掲載されていた気象データを収集・整理して、19世紀中盤の中国南方における気象の再現を行っており、一定の成果を得ている。また香港については日本の占領期のデータが欠如しているが、いわゆる「戦時データ」として、今回の調査でいくつかの貴重な資料が明らかになったことは、本研究の大きな成果である。 (2)沖縄(琉球王朝時代)の気象観測記録の発見と研究。ガストン・デマレー(ベルギー王立気象研究所)、パトリック・ベルヴェーレ(フランスCNRS)との共同研究で、これまで知られていないフランスの宣教師(フュレ神父)による気象観測記録(地震記録を含む)が発見され、その気象学的な意味づけについて現在検討をしている。 (3)より広域のデータレスキューおける本研究の意義。財城真寿美・三上岳彦らとの協力によって、本調査の結果が、どのように気象学・地理学に貢献できるかについて、その意義を検討している。
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Research Products
(18 results)