2014 Fiscal Year Research-status Report
「癒し」を手がかりとする博物館の副次的機能論の構築
Project/Area Number |
25560141
|
Research Institution | Lake Biwa Museum |
Principal Investigator |
戸田 孝 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 専門学芸員 (90359266)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 博物館機能論 / 副次的機能 / 「癒し」の機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続いて、既存事例に関する該当館への聞き取り調査として、開館直後からロビーコンサートを積極的に展開していた、この分野では先進的な博物館である大阪府立弥生文化博物館を訪問し、運営に際しての基本的な考え方や運営の実際について調査した。 この調査と前年度の調査結果に基づいて考察を進め、学会発表を通じて議論を深めた。その結果、副次的機能のうち博物館の「研究過程や研究成果を共有するための場を提供する機能」が「住民が集う場を提供する機能」に転化することによって生じる機能に関する論点が、展示室などの博物館内空間を目的外利用することの是非に関する問題や、他の文化施設との複合施設における構成施設間の相互調整の問題と連関しており、これらの問題についての実態調査が副次的機能の位置づけを考える上で重要であることが明らかになった。そこで、当初から予定していた「文献調査」を目的外利用や複合施設に関する条件の調査に集中して行うこととした。具体的にはインターネットで公開されている情報を可能な限り多数の博物館について広く収集して基本的な分析を加えた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象とする問題に対する考察の進展により、当面の対象とする論点を絞り込むことができた結果、その部分に集中して人件費を投入することができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度に収集して基本的な分析を加えたデータについて、さらに深く分析を進め、特徴的な館や考え方の手がかりと成り得る館の洗い出しを進めて、必要に応じて聞き取り調査を行うことにより、副次的機能の位置づけを考えていくための指針を策定することを目指す。 なお、当初計画では参考事例の関係者を招聘したセミナーの開催を予定していたが、この手法は有効と思えない状況になってきたため、むしろ聞き取り調査の充実によって考察を進展させることを目指す。
|
Causes of Carryover |
端数残額である。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
手数料等の雑費に充当する。
|
Research Products
(3 results)