2014 Fiscal Year Annual Research Report
食文化に根差した省エネ・低炭素型地域コミュニティー創生への挑戦
Project/Area Number |
25560155
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大村 直人 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50223954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 佐知子 神戸山手短期大学, その他部局等, 准教授 (60514916)
白杉 直子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (80243294)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 低炭素化 / 省エネルギー / 社会システム / 地域コミュニティ / プロセス強化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、ニンジンやほうれん草を中心とした根菜類について、「煮る」と「蒸す」の調理法について、エネルギー評価を行った。まず、ニンジンやほうれん草などの根菜類のできあがりについて、軟らかさについて着目し、破断荷重と官能評価とを相関させ、最適な軟らかさを破断荷重により数値化した。根菜類の硬さ変化を一次化学反応モデルによりモデル化した。このモデルを用い、強火、弱火を組み合わせ、加熱方法を最適化することで、省エネルギー、低炭素化を達成できることがわかった。 つぎに、地域創生については、農産物生産から見た未来社会像を、デザイン思考に基づくワークショップを実施して、バックキャスティングすることを試みた。アイデアの創出からソリューションの提案までを様々な人たちと一緒に考えるためのワークショップをとおして、ブレインストーミング、親和図法、強制連想法などの作業を行い、その作業過程や結果からこれまで気づいていなかったインサイト(気づき)を見つけることに取り組んだ。その中で、学生を対象としたワークショップから、「時間をかける=待つ」ことへの欲求を若者が感じているというインサイトを得た。現代社会では、都市は速さや効率のよさを追求した定量的評価の下で発展してきたが、農村では農作物の生長などの制約から時間をかけることが必要である。未来社会では、「時間をかける=待つ」ことからうまれる価値、即ち、定性的評価の確立が重要であり、都市と農村との時間ギャップを如何に埋めるかが重要であるというコンセプトが導かれた。「待つ」ことを可能にするには、このギャップを埋める「場」が重要であり、その「場」の構築が、望む未来社会像への到達アプローチであると考えられた。
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Research Products
(3 results)