2014 Fiscal Year Annual Research Report
走行車両に作用する風速変動に基づく横転回避情報システムの構築
Project/Area Number |
25560162
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
白土 博通 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70150323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 知己 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30293905)
服部 洋 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30576236)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 横風 / 横転 / 規制風速 / 短期風況予測 / 閾値通過確率 / 非定常空気力 / 横力 / ヨーイングモーメント |
Outline of Annual Research Achievements |
強風時の走行車両の横転事故に対する安全性向上のため,海峡部の橋梁上や地形的特徴から決まる警戒区間を通行する大型車の運転者に事前に安全走行速度情報を伝達するシステム構築を目的とする.具体的には,①走行車両が受ける風速変動の確率分布に基づく風速の閾値通過問題として風速レベル超過確率を求め,②構造部材や近隣地形等による局所的な風速の非一様区間を通過する車体が受ける風圧力(空気力)の非定常性を考慮し,③ソフトコンピューティングによる警戒区間通過時間中の風速変化を含む短期的強風予測を導入した横転回避情報システムの構築を試みた. ①では,風洞内の乱流中で熱線流速計を一定速度で移動させ,測定される変動風速の閾値超過確率密度を,風洞に固定した場合と比較した.その結果,閾値超過確率は移動計測の場合,相対風向,相対風速の違いにより影響を受けること,向い風状態で移動する場合に固定計測に比べて閾値超過確率が増加し,追い風状態では逆に小さくなることが明らかとなった.また,移動車両による実際の風速観測記録をもとに,前述の閾値超過確率を導入した規制風速の設定が可能であることを示した. ②では,走行車両を模擬した角柱が横風区間に突入する際の横力,ヨーイングモーメントを実験により計測し,その非定常性を調査した結果,横力は風向,風速の変化に対して准定常的であるのに対し,ヨーイングモーメントは一時的にオーバーシュートが確認され,風向,風速急変時の車両の蛇行走行の一因となることが明らかとなった. ③では,カオス予測とニューラルネットワークによる風速,風向の短期予測法を提案し,実際の風速観測記録に適用した.5分程度の短期予測では,一定の予測精度が期待できることが明らかとなった.より長時間の予測精度向上については今後の課題となった. 以上より,横風による車両横転の警報システムの基本構成がほぼ完成した.
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