2015 Fiscal Year Annual Research Report
統計情報を利用した人口の時空間分布推定モデルの開発と自然災害リスク評価への展開
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25560180
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Research Institution | Building Research Institute |
Principal Investigator |
樋本 圭佑 国立研究開発法人建築研究所, その他部局等, その他 (90436527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寶 馨 京都大学, 防災研究所, 教授 (80144327)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 流動人口 / 暴露人口 / 統計情報 / 自然災害リスク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,全国的に整備される統計情報を活用することで,任意の時刻における広域圏内人口分布を推定するためのモデルを開発する.また,同モデルによる推定結果を地震災害の外力の推定結果と重ね合わせることで,地震災害が発生した場合の人的被害発生過程の特徴を整理し,被害を効果的に低減するための対策のあり方について検討を加えることを目的としている.平成27年度は,以下の2課題について検討した. (1) 離散選択モデルによる非定型的外出行動の推定 (2) 東北地方太平洋沖地震発生時における流動人口分布の推定 課題(1)では,統計調査の結果を利用することで,対象とする圏域内における住民一人一人の一日の行動の軌跡を推定し,その結果を集計することで地域単位の人口分布の時刻変動を推定することとした.ここでは,対象を,平日の外出先を比較的推測しやすい就業者・学生と,その他の非就業者・非学生に分けて検討しているが,後者については,睡眠や食事,身の回り行動など必須と考えられる行動以外の行動の組み合わせを,社会生活基本調査の結果に基づいて確率的に決定し,決定された行動が外出行動を伴う場合に,外出行動目的に適合した目的地を離散選択モデルにより選択することとした.離散選択モデルの説明変数には,一日の総移動距離と,国土数値情報ならびに経済センサスから得られる地域指標を採用した.説明変数のパラメータ推定には,過去に実施されたパーソントリップ調査の結果を用い,統計的に有意な推定が行えることを確認できた. 課題(2)では,開発したモデルを,2011年東北地方太平洋沖地震で被害を受けた気仙沼市に適用した.当時の津波浸水区域と重ね合わせを行った結果,津波浸水区域内の人口は,津波が襲来する時間帯によって23,500人から26,000人の間で変動することが分かった.
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Research Products
(1 results)