2013 Fiscal Year Research-status Report
マクロファージ機能修飾による再生治療新規アプローチへの挑戦
Project/Area Number |
25560194
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 雅哉 京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (10332735)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マクロファージ / 細胞機能 / ピオグリタゾン / 徐放化 / ハイドロゲル |
Research Abstract |
本研究の目的は、炎症の慢性化と治癒修復化とのスイッチングで重要な役割をしているマクロファージ(MΦ)の機能修飾のための技術開発である。慢性化MΦ(M1)に対する修復化MΦ(M2)の比率を、薬を用いて積極的に高め、修復過程を促す。 具体的には以下のような実験内容を行う。 薬として細胞内peroxisome proliferator activated ewcwptor(PPARγ)活性を高める難水溶液のピオグリタゾンを取り上げた。ポリ乳酸を化学導入したゼラチンの疎水性誘導を作製、ゼラチン誘導体と混合ミセル複合化することでピオグリタゾンを水可溶化した。水可溶化ピオグリタゾンミセルをゼラチン水溶液に混合、凍結乾燥した。この凍結乾燥ゼラチンを熱脱水処理によって化学架橋を行い、水可溶化ピオグリタゾンミセル含有ハイドロゲルを作製した。マウス骨髄から単離した細胞をインターロイキン刺激することでMΦを調製した。このMΦを水可溶化ピオグリタゾンミセル含有ハイドロゲルとともに培養した。修復化MΦ(M2)と慢性化MΦ(M1)との比較をそれぞれの機能マーカーであるアルギナーゼ分泌、および一酸化窒素(NO)の産生で評価したところ、水可溶化ピオグリタゾンミセル含有ハイドロゲルによりアルギナーゼ分泌が高まることがわかった。この結果は、DDS化薬によりMΦの機能を修飾できたことを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MΦ機能修飾薬としてのピオグリタゾンのハイドロゲルからの徐放化と徐放化によるMΦ機能の修飾が可能であることが細胞培養実験で示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に得られた結果を基に、MΦ機能修飾薬の再生医療効果について、組織欠損動物モデルを用いて検討する。移植に用いる細胞は骨髄から採取された未分化間葉系幹細胞(MSC)である。マウスの皮膚あるいは骨欠損モデルを作製する。欠損部へ水可溶化ピオグリタゾンミセル含有ハイドロゲルを注入、MSCを移植した後、欠損部における皮膚、骨再生修復について評価する。欠損部での再生修復は、再生組織の組織学的観察、再生過程における組織中のコラーゲン産生、アルカリホスホターゼ、オステオカルシンなどの生物マーカーの定量などによって評価する。MΦ機能修飾薬の徐放化を利用した再生修復について必要要素を整理することによって、総合的に炎症反応機能を修飾することによる再生治療技術の創製のための挑戦的萌芽技術の最適化を行う。
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