2013 Fiscal Year Research-status Report
骨再生過程におけるコラーゲン動態の可視化と外部環境因子による組織化制御手法の検討
Project/Area Number |
25560200
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
安井 武史 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (70314408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 克也 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (10403651)
高橋 光彦 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (10372715)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | コラーゲン / 骨芽細胞 / 第2高調波発生光 / 非線形光学顕微鏡 |
Research Abstract |
生体コラーゲン顕微鏡では、超短パルス光照射時にコラーゲン分子固有の非線形光学特性によって発生する第2高調波発生光(SHG光)を検出することにより、コラーゲンの3次元分布を生きたありのままの状態で可視化できる。我々は、これまでにヒト真皮コラーゲンのin vivo計測等に応用してきたが、この顕微鏡を骨再生エンジニアリングに展開していくためには、まずSHG顕微鏡の高感度化を検討する必要がある。これは、成熟した高次構造のコラーゲン集合体が高密度に分布する組織コラーゲンに対して、骨芽細胞産生コラーゲンは構造的成熟度や濃度が低いため、分子集合構造の規則性に敏感なSHG発生効率が極めて低くなる。低いSHG発生効率を照射レーザーの平均パワーの増大でカバーした場合、サンプルの光損傷が問題になる。このようなことから、現状の照射レーザーパワーを維持しながら、生体コラーゲン顕微鏡の高感度化を検討する必要がある。 SHG発生光強度はレーザーピークパワーに比例するので、レーザーパワーは同じでも、パルス幅を狭窄化すればピークパワーが上がり、発生SHG光強度を増大できる。このような考えに基づいて、10fsレーザーを光源とした生体コラーゲン顕微鏡の構築を行った。10fsレーザーのスペクトル帯域は極めて広いため、光学素子の群速度分散によって容易にパルス幅が拡がるので、外部的に分散補償を行い、サンプル照射位置におけるパルス幅を最短化する必要がある。実際に、外部分散補償光学系を構築して、サンプル照射位置におけるパルス幅を評価したところ、分散補償無しで数百fs以上まで拡がっていたパルス幅を、20fsまで短縮することに成功した。更に、静置培養した骨芽細胞産生コラーゲンのイメージングに応用した。取得したSHGイメージを位相差画像および染色画像と比較した結果、骨芽細胞産生コラーゲンの分布を可視化出来ていることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究における最大の技術的ハードルは、生体コラーゲン顕微鏡の高感度化により骨芽細胞産生コラーゲンが本当に可視化できるかという点であったが、このハードルをクリアーすることが出来た。これにより、今後の研究展開に目途が付いたことから、おおむね順調に伸展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、コラーゲン産生の外部制御を視野に入れながら、機械的刺激等の外部刺激の有無による骨芽細胞産生コラーゲン分布の違いを、生体コラーゲン顕微鏡で可視化する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
3月始めに納品を予定した消耗品物品(価格22,424円)の納品が3/27まで遅れ、大学事務の振込の手続き上、年度内処理が困難となったため。 平成25年度予算で支払い処理できなかった消耗品物品(価格22,424円)を、4月支払いで処理する。
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