2014 Fiscal Year Annual Research Report
非線形ラマン散乱分光法による新たな腫瘍診断法の開発
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25560206
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
高松 哲郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40154900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南川 丈夫 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10637193)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ラマン散乱分光法 / 5-ALA / PpIX / がん / 細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
5-ALA (aminolevulinic acid) 代謝産物のPpIX (protoporphyrin IX) は腫瘍特異的に蓄積し蛍光を発し,ヒト へ応用可能な腫瘍検出法として有用とされてきた.しかし,PpIXの蛍光観察は,他の組織の自家蛍光の影響を受 ける,手術中の白色光 (蛍光灯) により退色の影響受ける,短波長励起により組織深部観察が困難等の問題があった.本研究では,非線形ラマン散乱分光法をPpIX検出に応用することで,長波長励起,組織からの自家蛍光フリー,退色フリーな検出を実現し,従来の検出法に対して高深達度・高確度に腫瘍を検出する手法の開発を行った. まず,PpXI検出に適した非線形ラマン散乱分光システムを開発するために,広帯域光を用いた非線形ラマン散乱分光システムを開発した.広帯域光の発生にはフォトニック結晶ファイバーを用い,非線形ラマンスペクトルを一度の照射で取得可能なシングルレーザーマルチプレックス非線形ラマン顕微鏡の開発に成功した.また,既知のラマンスペクトルを有する物質を用いて,非線形ラマンスペクトルの取得に成功し,基礎分光特性(波数分解能,レーザーパワー等)についても検証した. 次に,5-ALAおよびPpIXのラマン分光特性を検討するため,5-ALA,PpIXの純物質,および生細胞のラマンスペクトルを取得した.その結果,5-ALAおよびPpIXに特徴的なラマンスペクトルの取得に成功した.さらに,5-ALAを細胞に投与することで,細胞内で代謝されPpIXに変化する過程をラマンスペクトルとして検出することに成功した.
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