2013 Fiscal Year Annual Research Report
膵ランゲルハンス島の微小血行動態を解析しうる新規イメージング技術の開発と応用
Project/Area Number |
25560215
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
柏原 直樹 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10233701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 稔 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (70449891)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ランゲルハンス島 / in vivo imaging法 / 内皮障害 / 微小血行動態 / インスリン分泌 / 耐糖能障害 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
膵ランゲルハンス島(ラ氏島)微小血管は高度に分化した血管構築を有している。高血圧・糖尿病ではラ氏島内にも微小血管障害を生じる。これが高血圧患者に糖尿病合併率が高い一因と推定される。本研究では、まず2光子レーザー顕微鏡と蛍光プローブ、インスリンプロモータ-下で蛍光色素遺伝子を発現する遺伝子改変マウス(DsRedマウス)を用いて、生体動物において膵ラ氏島内微小血行動態を解析するin vivo imaging技術の確立に取り組み、本技術の確立に成功した。本技術を利用して以下の成果を得た。 1.ラ氏島血流調節とインスリン分泌調節の連関機序:血管作動性物質(アンギオテンシンII、L-NAME、アデノシン等)を経静脈的に投与し、ラ氏島内微小血管の血管径の経時的変化、血流速度・血流量変化を観察し、アンジオテンシンIIが用量依存性にラ氏島血流を低下させ、同時にインスリン分泌を抑制することが判明した。DsRedマウスにアンジオテンシンIIまたはL-NAMEをosmotic pumpを用いて2週間投与したところ、経口ブドウ糖負荷試耐糖能障害の出現を認め、同時に膵ラ氏島微小血流の低下、ラ氏島部の虚血変化を認めた。 2. 糖尿病モデル動物における膵ラ氏島微小血行動態変化と内皮機能障害の解析 DsRedマウスに糖尿病自然発症モデルであるAKITAマウスと交配し糖尿病モデルを作成した。また糖尿病モデルを作成する。糖尿病モデル動物におけるラ氏島血流変化、内皮機能障害を解析したところ、ラ氏島部の血流低下を認め、さらにラ氏島部内皮機能障害を認めた。一酸化窒素(NO)産生変化と酸化ストレス(Reactive oxidative species:ROS)が関与を検討したところ、NO減少と同時にROS産生亢進を認めた。
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