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2013 Fiscal Year Research-status Report

中空糸配列体を用いた細胞マイクロアレイチップの開発

Research Project

Project/Area Number 25560216
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research

Research InstitutionNational Institute of Advanced Industrial Science and Technology

Principal Investigator

藤田 聡史  独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 主任研究員 (00392655)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywordsナノバイオシステム / 細胞マイクロチップ / マイクロアレイ
Research Abstract

本研究では、コスト性・簡便性・迅速性・量産性に優れ、生体に近い環境で、様々な化合物に対する細胞の応答を直接且つ網羅的に検出する新たな技術「中空糸配列体を用いた細胞マイクロアレイチップ」の開発を行う。H25年度は、「中空糸素材の検討と配列体の構築」、「中空糸内部への充填剤及び充填方法の検討」、「中空糸内部に充填された薬剤の徐放性能の解析」、「アレイ上で生育する細胞に対する毒性と運動性の評価」を行った。
コラーゲンゲルなどの生体適合性ゲルの中空糸への充填は容易だった一方、生分解性ポリマーの充填は当初、有機溶媒にポリマーを溶解させ、中空糸への充填を試みたが、充填後の中空糸内の有機溶媒除去や残留有機溶媒の毒性の問題を解決することが困難だった。試行錯誤の結果、乳酸グリコール酸コポリマーを高温(100℃)で溶解し、中空糸に充填する方法が最も簡便であることを見出した。充填時、ポリマーは高温であるため、PTFE(テフロン)性の中空糸への充填が最適であった。乳酸グリコール酸コポリマーに対する細胞毒性は無い事を確認し、徐放に最適なポリマー比率と分子量を評価した後、ポリマーを充填した中空糸を9本配列させ、シリコン樹脂で固定化し、スライスすることで、簡便に数十枚のチップを作製できる事を確認した。
細胞に取り込まれた際、緑色蛍光および赤色蛍光を示す2種類の薬剤とポリマーを混合し、中空糸に充填し、これらをモザイク状に配列させたチップを作成し、薬剤の徐放と細胞への取り込みを評価した。このチップ上に播種された細胞に対する毒性は非常に低く、細胞運動は阻害されなかった。アレイ上に接触した細胞にのみ薬剤が取り込まれ細胞が緑色または赤色蛍光を示した。これらは、薬剤がポリマーから適切に徐放され、細胞に取り込まれる事、他の領域の細胞に拡散し、薬剤がコンタミネーションしない事を示しており、極めて良好な結果である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究計画では、2種類の中空糸配列体を用いた細胞マイクロアレイチップの構築を行う予定である。2次元表面上の細胞に対して小分子薬剤をアレイ上より導入し、細胞の表現型変化に基づいて、薬剤評価や細胞機能評価を行う目的の「2Dチップ」の開発は予定通り非常に順調に進んでいる。一方、小分子薬剤の刺激に応答して、細胞の中空糸内への浸潤や神経突起伸長を3次元的な細胞応答を評価する「3Dチップ」の開発は遅れている。具体的には、乳酸・グリコール酸ポリマーの価格が高く、1回の実験で1g程度のポリマーしか使えないため、エレクトロニクス法により作製したナノ粒子のほとんどが静電気で装置内壁に接着し回収できないという問題があり、効率的にナノ粒子の作製ができない。よって、根本的なナノ粒子の作製方法を変更する必要性も考えられる。

Strategy for Future Research Activity

2次元表面上の細胞に対して小分子薬剤をアレイ上より導入し、細胞の表現型変化に基づいて、薬剤評価や細胞機能評価を行う目的の「2Dチップ」の開発は順調に進んでおり、予定通り、細胞死を誘導する薬剤などを中空糸に導入し、チップ表面の細胞の状態、形状、動態、遺伝子発現に基づき、充填されていた薬剤の網羅的な機能評価を行う。一方、小分子薬剤の刺激に応答して、細胞の中空糸内への浸潤や神経突起伸長を3次元的な細胞応答を評価する「3Dチップ」の開発では、ナノ粒子の作製方法の変更を検討する。具体的には、粉砕法による作製を試み、作成されたナノ粒子を生体適合性ゲルと混合し、中空糸の充填を行い、中空糸内への細胞浸潤を評価する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

小分子薬剤の刺激に応答して、細胞の中空糸内への浸潤や神経突起伸長を3次元的な細胞応答を評価する「3Dチップ」の開発は遅れていることが第一の原因である。乳酸・グリコール酸ポリマーが高価で、1回の実験で1g程度のポリマーしか使えないため、すでにナノ粒子の作製に成功している手法であるエレクトロニクス法を用いた場合、ナノ粒子のほとんどが静電気で装置内壁に接着し回収率が非常に悪く、コスト面で問題がある、よって回収率の高い方法、安価に作成できる方法を新たに開発する必要が出てきたため、以降の実験計画に使用する予算を次年度に持ち越した。
まず、粉砕法などの安価なナノ粒子作製法の開発を行なった後、小分子薬剤の刺激に応答して、細胞の中空糸内への浸潤や神経突起伸長を3次元的な細胞応答を評価する「3Dチップ」の開発を進める。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Simple production of multiple copies of a microarray for the controlled release of small compounds in a cell-based screening assay2014

    • Author(s)
      Hara, Y., Ikuta, K., Onuki-Nagasaki, R., Fujita, S.*
    • Organizer
      Biosensors 2014
    • Place of Presentation
      Melbourne, Australia
    • Year and Date
      2014-05-27 – 2014-05-30

URL: 

Published: 2015-05-28  

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