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2013 Fiscal Year Research-status Report

生体内の不安定余剰鉄イオンを除去する新材料創成

Research Project

Project/Area Number 25560230
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research

Research InstitutionNational Institute for Materials Science

Principal Investigator

青柳 隆夫  独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, その他 (40277132)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 荏原 充宏  独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, その他 (10452393)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywordsポリエチレングリコール / 鉄イオン / 配位結合 / ゲル化
Research Abstract

本年度は、実験に供するリン酸残基を末端に有する分岐型のポリエチレングリコールの合成とその構造解析を行った。また、数種の金属イオンを添加した時の、ゲル化挙動を追及した。所定量のフレーク状の末端水酸基の4分岐型ポリエチレングリコール を300 mL三角フラスコ内に入れた。ここにTHFを200 mL注ぎ込みホットスターラーを用いて50 ℃に保持しながら静かに撹拌し、完全に溶解させた。溶解後、ジイソプロピルアミンをポリエチレングリコールの末端に対して50倍等量加え完全に混合するまで溶液を撹拌させた。1000 mLナスフラスコに300 mLのTHFを注ぎ、マグネティックスターラーを用いて激しく撹拌させながらPEGの末端に対して50倍等量の三塩化リンをゆっくりと加えた。ここに等圧滴下ロートを用いて、PEGのTHF溶液を滴下した。全量を滴下後、滴下ロートを外し、密栓をして空気が入らない状態で24時間撹拌させ、完全に反応させた。反応後THFを留去後、蒸留水300 mLを加え、24時間撹拌させた。さらに水を取り除いた後、蒸留水で透析を行い、精製した。透析後の溶液を全量が1/4程度になるまで濃縮した後、100 mL凍結乾燥瓶を用いて凍結乾燥を行い、粉末状の末端リン酸化4分岐型ポリエチレングリコールを得た。作成した各末端をリン酸化した分岐ポリエチレングリコールを超純水に溶解させた。ガラスプレートを水酸化カリウム-エタノール溶液に30分以上浸漬させ、アルカリ洗浄を行い、この上にシリコーンゴムで作製したリング(内径13 mm 高さ4 mm)を置き、型を作製した。そこに先ほど調製した水溶液と三塩化鉄水溶液を所定量流し込み、いずれの場合も速やかなゲル化によりゲル得た。この結果は、鉄イオンが生体適合性の高いポリエチレンぐきコールに配位結合で保持できることを意味している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

リン酸と鉄イオンとの配位結合を利用して、鉄イオンの捕捉を目指している。本年度は、材料の合成に注力し、目的とする各末端にリン酸基を有する分岐型のポリエチレングリコールの合成に成功した。NMRの測定結果では90%以上のリン酸残基導入率を確認することができた。また、鉄イオンと混合すると直ちにゲル化を確認することができた。これは、鉄イオンとリン酸基の反応によって架橋反応が生起することを意味しており、鉄イオンの捕捉を確認した。さらに、他の金属イオンのとの比較も進めている。これまでの予備的な実験によると、金属によってはゲル化が困難な種類もあり、配位結合の際の結合定数の違いが起因しているものと考えている。本研究の最終目標は生体内の鉄イオンを選択的に結合させる必要があるので、夾雑イオンの影響を早急に検討する必要がある。
また、リン酸基はアニオン性であるが、カチオン性の生体内物質、タンパク質などの両性電解質との相互作用も考えられる。これらについても、鉄イオンとの反応にどの程度影響するか見極めたい。

Strategy for Future Research Activity

当初の目的に従って、更に鉄イオンとの相互作用を詳細に解析するとともの、生体成分の存在下でのゲル化挙動を追求して、選択的な捕捉の可能性を検討する。具体的には、血漿中でのタンパク結合率を測定する。通常の鉄キレート剤の主な結合タンパクは血清アルブミンであるため、ヒト血清アルブミン(40g/L)に対するタンパク結合率を10~100μg/mLの濃度範囲で分光光度計を用いて測定する。
これまでの予備的な実験では、鉄イオンとの結合後、イオンを含まない水中では、鉄イオンの乖離にともない、ゲルの強度が弱くなることも見出している。従って、今後補足した後の回収法も検討する必要がある。そのためには、リン酸残基をを残したたまま、ゲル化が維持する方法も検討したい。すなわち、他のポリエチレングリコールとの複合化、具体的には相互網目侵入構造なども次年度は検討したい。例えば、光によって架橋するポリエチレングリコールをリン酸残基を有するポリエチレングリコール溶液に予め混合しておき、光照射を行えば、安定なポリエチレングリコールのゲルが調製できると考えている。この点も、追加項目として検討したい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

予定していた物品が、欠品で購入しなかったため。
次年度に繰り入れて、使用予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] リン酸基-金属イオン配位結合を架橋点に有する自己修復ゲルの力学的特性評価2013

    • Author(s)
      佐藤 健
    • Organizer
      第62回高分子討論会
    • Place of Presentation
      金沢大学
    • Year and Date
      20130911-20130913
  • [Presentation] A Self-healable Hydrogel via Selective Metal-ligand complex2013

    • Author(s)
      佐藤 健
    • Organizer
      第62回高分子学会年次大会
    • Place of Presentation
      京都国際会館
    • Year and Date
      20130529-20130531

URL: 

Published: 2015-05-28  

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