2014 Fiscal Year Annual Research Report
金属微粒子によるマクロファージの光音響分子イメージング
Project/Area Number |
25560235
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西條 芳文 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00292277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 康悦 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (30323603)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 光音響イメージング / マクロファージ / 金ナノロッド |
Outline of Annual Research Achievements |
光音響イメージング(PAI)は,物体にパルスレーザを照射したときに発生する熱の吸収による組織の膨張・収縮に起因して発生する超音波信号(光音響信号)を画像化する手法であり,発生する信号の信号強度は使用するレーザの波長や対象の吸光係数に依存する.金属は比熱が低く光をよく吸収し 光音響信号を容易に発生するので,PAIでは金属をベースとしたコントラスト剤が有用である. 本研究では,まず比熱の異なる金属棒の光音響信号を解析した.測定対象として,比熱が異なり吸収係数が近い金属である金,銀,銅を用いた.対象はすべて1 mm 径,長さは5 cmであった.光音響信号の励起には,波長1064 nm,パルス幅1.1 ns,平均パルスエネルギー1.4 mJのレーザを用い,PVDF-TrFE製,中心周波数20 MHzの凹面超音波探触子の中心に直径1 mm の孔をあけ,この孔に光ファイバを通すことでレーザ光の照射と超音波の受信を同軸で行った.金,銀,銅の光音響信号の受信信号とスペクトルを計測したところ,金がもっとも高い周波数の光音響信号を発生することが示され,コントラスト剤としては金を用いるのが最も妥当であることが再確認された. 用いた金ナノロッドの吸収ピークは波長1085 nm で,予備実験において0.446 ppmにおいても光音響信号が検出されることが示された.細胞観察用PAIのトランスデューサはPZT製,面積5 mm四方で,中心周波数が8.26 MHzのものを用いた.レーザスポットは約40ミクロンであった.マクロファージを金ナノロッドとともに培養し,金ナノロッドを貪食させた細胞をPAIにより観察することが可能であった.動脈硬化巣における不安定プラークなど,炎症反応を示す種々の病態におけるバイオマーカーとして,金ナノロッドを貪食させたマクロファージのPAIによる検出が有用と考えられた.
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Research Products
(4 results)