2014 Fiscal Year Annual Research Report
青年期ASD者のコミュニケーションを支援する心理運動療法
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25560253
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
津田 均 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 准教授 (00302745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
的場 巳知子 新潟リハビリテーション大学, リハビリテーション研究科, 准教授 (90465477)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 心理運動療法 / 自閉症スペクトラム障害 / 学業の停滞 / 社会的孤立 / 微細神経学的障害 / ラバン運動解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
一流大学において就職、進学などが停滞している大学生、大学院生11人に対して、心理運動療法のプログラムに導入した。治療者は、毎回リーダとなる治療者一人、助手2名程度で月1回行われた。内分けは、心理的理由によるひきこもり、ステューデントアパシーなどの学生が5人、ASDの学生が4人、ASDであったと既往からは考えられるが、現在は改善しているように思われる学生1人、どちらであるかがわからない学生が1人だった。自由運動のラバン動作分析からは、effortの項目において、ASDが確診である学生は全員、運動がlightではなくboundとなり、ASDにneurologicalな運動の問題があることが推測された。ASDの学生では、治療者の指示に従うことができ、他人のcueに合わせることができても、自分から自発的な運動を繰り出すことに困難が見られた。またイメージ課題、たとえば水の中で身体を動かすことを想像して動くなどの課題でも困難を認めた。後者はセッションが進むにつれて改善を見た。学生どうしの自由な運動のやりとりも、特にASD圏では困難があり、運動がフリーズしてしまう場面も見られた。また、自己運動の言語的振り返りで困難なASD学生も存在した。 2年間の間に心理的ひきこもり群の全員が復学か就職をしたのに対し、ASD群では、2人が職を得るに留まった。なお参加者は就職支援のグループでも援助を受けている。 結論として、1)心理運動課題から社会的ひきこもり群とASD群を分けることがほぼ可能であること、2)ASD群も、セッションを維持することができるが、彼らの困難点の改善は限定的であることが言える。
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