2015 Fiscal Year Research-status Report
人工網膜における電気刺激の効率低下のシステム生理学的対策
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25560259
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三好 智満 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70314309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤井 元 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (20202103) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 人工感覚器 / 電気刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、感覚刺激の代替として人工感覚器から神経系に連続する電気刺激によって生じる生体の順応現象を克服することを目標としている。昨年までの結果から、大脳皮質表面に設置した多点電極から記録した皮質電図を用いて評価を行った。ただ、記録装置の故障と、実験室の移動のために麻酔・電気生理実験システムを再セットアップせざるを得なくなったために、刺激頻度に関する検討を中心に行った。麻酔非動化したネコの視覚皮質を中心とする領野に対して、硬膜を除去して設置した電極から記録された皮質電図を頻回刺激の前後で比較した。その結果、網膜に設置した電極から大きな誘発反応の得られる皮質電極においては、20Hz, 10Hzの頻回刺激は順応刺激として有効であったが、5Hz, 1Hzの刺激では有効ではなかった。網膜からの入力が大きく観察できない電極での皮質電図においては、順応刺激としての効果が弱く、20Hzでようやく観察できる程度であった。これらと昨年度の結果とを合わせると、皮質電極のマッピングの密度と、網膜における刺激電極の密度、そしてこの両方の相互の位置関係が一致するように設置できる電極のデザインが必要と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究室の再編成のために実験室を移動させ、電気生理実験のセットを再構築する必要が生じたために、実験ができない期間があり、またそれに並行して記録装置の不具合が生じたため、進捗に影響を与えた。
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Strategy for Future Research Activity |
新しい実験室で研究を再開できるようになったために、実験を遂行させる。
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Causes of Carryover |
実験室の再編成のために実験ができない期間が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
使用する中型動物の飼育費用と、実験に必要な薬品・消耗品類に充当する。
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