2014 Fiscal Year Annual Research Report
免荷式歩行訓練のための下腿筋固有受容器の機能評価システムの開発
Project/Area Number |
25560266
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 紳一郎 芝浦工業大学, システム工学部, 教授 (30327762)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 理学療法学 / 歩行訓練 / バイオメカニクス / スティフネス / 伸張反射 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの神経生理学的研究の知見から,脊髄損傷の歩行機能回復訓練には股関節可動域増大とアキレス腱への負荷刺激が重要ポイントであることが提唱されている.また,脳卒中片麻痺者や脊髄損傷者のような痙性を伴う場合には伸張反射感受性が,痙性の指標となるが,歩行訓練中に簡便に計測できるシステムは未だに存在しない.本研究課題では,アキレス腱張力計測に加えて,下腿筋群の伸張反射感受性を計測できるシステムを開発し,アキレス腱張力と伸張反射感受性の2つの情報から,下腿筋固有受容器の機能評価システムを開発することを目標としてきた.これまでアキレス腱張力を歩行訓練中に計測できるデバイスはなく,安価で非侵襲な方法で計測できれば,今後の運動機能障害者の歩行訓練に有益な計測手法となる. 申請者らは,平成23年度から脊損者の免荷式歩行訓練中のアキレス腱張力を非侵襲に計測できるシステムの開発を目指してきたが,最終的には実際の歩行運動中の筋張力を正確かつ精密に計測できるまでには至らなかったが,本研究課題ではその研究開発基盤をもとに2年間の研究を進めてきた.結果として歩行運動中のアキレス腱張力を非侵襲に推定できるクリップ型の計測デバイスを開発できた.このクリップ型計測デバイスでは,アキレス腱の張力発揮に伴い,押し付け反力,ひずみ量,剛性が変化し,アキレス腱張力との高い相関を確認し,アキレス腱の材料的特性を推定できた.しかしながら,個々の被検者の形態的特性に依存した較正値が必要であることが,今後の課題として残ったが,ある一定の成果が得られたと考えられる.また,歩行中に計測できる伸張反射計測デバイスも開発できたが,最終的には統合したデバイス開発とは至らなかった.
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Research Products
(3 results)