2013 Fiscal Year Research-status Report
非利き手でも施行できる二重課題の開発:分配性注意障害の臨床検査として
Project/Area Number |
25560267
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
豊倉 穣 東海大学, 医学部, 教授 (20217566)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 注意障害 / リハビリテーション / 高次脳機能障害 / 二重課題 / 分配性注意 / 感度 / 特異度 |
Research Abstract |
①処理モダリティの異なる2つのサブタスクを同時に行う二重課題を作成した。これは施行手に関係なく実施可能と思われる課題である。聴覚サブタスクでは録音された単語(「そり」-「ろうそく」-「しんぶんし」-「なみだ」-…)を聞きながら3文字単語に「ハイ」と応答する。視覚サブタスクは標的「7」の単純抹消課題で,A4紙面に1行20数字の乱数表を用いる。聴覚サブタスクは90語が3分間で提示されるので,この間にできるだけたくさん,正確に視覚的抹消課題を施行する。 ②本課題の基準値を作成する目的で,健常者134名によるデータ収集を行った。年齢範囲は21~59歳,平均35歳である。本課題は,社会復帰を前提にした脳障害例の軽症注意障害の検出を主眼にしているので,(少なくとも今回は)60歳以上は対象としなかった。判定の指標として,聴覚課題の正答率(正答数/正解数20),的中率(正答数/反応数),視覚課題は正答数,正答率,的中率を算出した。 ③疾患群として脳障害(脳外傷,くも膜下出血,脳炎などを中心に)を有し,60歳未満でADLが自立しているものの注意障害が示唆される症例を対象とした。データ数はまだ少なく,今後蓄積してゆく予定である。 ④疾患群に対しては先の二重課題に加えて,標準的な注意検査として普及している「標準注意検査法」(新興医学出版)も実施した。最終的には健常群,疾患群の成績からカットオフ値を求め,感度,特異度について明らかにしたい。合わせて,「標準注意検査法」の成績と比較して本検査法の意義を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で示した通り,課題作成,健常者での検討などはほぼ終了している。既定の期間内に研究が終了する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,疾患群のデータ蓄積とその分析が中心となる。方法は先に述べたとおりである。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
決定額と最終的な使用額とにやむを得ず生じてしまった端数である。 消耗品(USBメモリーなど)の購入に充てる予定である。
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