2015 Fiscal Year Annual Research Report
小脳変性マウスにリハ運動訓練型環境エンリッチ飼育と脳栄養成分投与介入試験の研究
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25560268
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
別府 英博 (別府秀彦) 藤田保健衛生大学, 藤田記念七栗研究所, 准教授 (30142582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新里 昌功 藤田保健衛生大学, 保健学研究科, 准教授 (80148288)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 小脳失調マウス / プルキンエ細胞変性 / 運動失調 / 環境エンリッチ飼育 / 能動的運動 / DL型セリン / NMDA受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
環境エンリッチメント(Enriched Environment;EE)の概念を、小脳変性マウスの運動療法に応用し、強制運動負荷訓練に代わる能動的運動で運動失調が改善されるかを検討した。研究目的は、その得られた結果を、脊髄小脳変性症(SCD)患者の発症初期から現れる運動失調や将来の寝たきり生活を軽減させるリハ訓練に応用し、QOL向上プログラムを構築することにある。さらに研究は、未だ治療薬のないSCD患者の代替として当該マウスを利用し、脳の栄養成分や薬物投与試験を並行して行い、運動介入として単一な強制運動でなくEE概念である多彩な行動環境の中で模擬リハ訓練をさせながら育養させた。その過程において、歩行失調、振戦、小脳プルキンエ細胞の変性脱落の軽減など、運動機能・体幹の評価、病態生化学的・病理組織学的な変化を観察した。 その研究成果は、①非EE環境下で飼育している小脳失調マウスとEE環境下でのビームテスト、Rota-rod試験において優位に改善が認められた。②L型セリン、D型セリンを投与し、Rota-rod試験を行なったところ、L型では協調運動改善は認められなかった。一方D型セリンは100mg/体重投与40分後に改善がみられた。さらにその誘導体のD-サイクロセリンでは50mg濃度で改善を示した。③またEE飼育とD型セリン投与併用群は強制歩行運動群と同等の運動改善が認められた。
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