2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25560271
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
越久 仁敬 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20252512)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 嚥下障害 / 誤嚥性肺炎 / 干渉波電気刺激 / 経皮的電気刺激 / 治療的電気刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題の目的は、嚥下障害患者に対する頚部干渉波電気刺激の嚥下機能改善効果を嚥下造影検査および二段階簡易嚥下誘発テストによって検討し、本法の有効性と適応を明らかにし、さらに、長時間刺激の安全性を確認することである。 プロトコール1.軽度~中等度の嚥下障害があり、認知障害を認めない(MMSE22点以上)もの12名を対象とし、干渉波刺激を被検者の頚部に15分間行った。嚥下造影検査(VF)を刺激前、刺激中、および刺激終了10分後に行った。VFデータの時相解析を行ったところ、舌骨の挙上開始から安静時に復帰するまでの時間(PRD; pharyngeal response duration)は13例全例で短縮(刺激前1.37±0.31 s、刺激後1.16±0.29 s、p<0.001)した。その他の時相解析指標では有意な差を認めなかったが、食塊が下顎枝を通過してから舌骨の挙上開始までの時間(Stage Transition Duration)が0.4s以上遅延している患者3例ではいずれもSTDの改善を認めた。本研究成果はInt. J. Speech Lang. Pathol. Audiol.に報告した。 プロトコール2.軟菜食患者のうち、高度の認知障害を認めず(MMSE 10点以上)、二段階嚥下誘発テストが異常であった(嚥下反射に3秒以上かかった)者10名を対象とし、干渉波刺激を被検者の頚部に15分間行った。簡易二段階嚥下誘発試験を刺激前、刺激中(刺激開始10分後)、および刺激終了10分後に行った。生理食塩水0.4ml注入時の嚥下誘発潜時は、10名中5名で改善、3名で不変、2名で悪化した(Wilcoxon’s signed test, p=0.4531, N.S.)。 プロトコール3.長期間反復刺激の有効性を確認するために、嚥下障害患者4名に対して間接嚥下訓練に干渉波刺激を併用して連日(18回~60回)行ったところ、いずれの症例でも喉頭挙上遅延時間(LEDT)で評価した嚥下反射惹起性の改善を認めた。刺激強度を感覚閾値レベルとすることで被験者の不快感は問題とならず、耐容性は良好であった。
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Research Products
(5 results)