2014 Fiscal Year Annual Research Report
中大脳動脈領域の血管病変により生じる横隔膜麻痺と咳反射に関する研究
Project/Area Number |
25560272
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
白石 純一郎 産業医科大学, 医学部, 助教 (20525430)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 横隔膜 / 脳卒中 / 亜急性期 / 透視 |
Outline of Annual Research Achievements |
中大脳動脈領域の血管病変により反対側の上下肢麻痺が出現するが、横隔膜麻痺が出現するか否かは充分な研究はなされていない.今回我々は亜急性期の一側中大脳動脈領域の血管病変により横隔膜麻痺が生じるか確認するために多目的X線画像診断装置により横隔膜の動きを透視下に評価した. 対象は初発の中大脳動脈領域の血管病変を生じた患者16名.性別は男性8名、女性8名.年齢は平均66.6±9.9歳.発症様式は脳出血7名、脳梗塞9名.麻痺は左片麻痺10名 右片麻痺6名.重症度は軽度~中等度10名、重度6名であった. 横隔膜麻痺の存在を確認するために発症後30日以内に多目的X線画像診断装置(SHIMADZU製 Sonialvision SafireⅡ)により横隔膜の動きを透視下に評価した.呼吸機能検査としてSP-370COPD肺Perプラス(フクダ電子)によりVital Capacity (VC)、Tidal Volume(TV)を測定した.また比較対象として、同年代の健常群においても同様の検査を行った. 安静換気時においても強制換気時においても脳卒中患者において横隔膜移動距離は麻痺側と非麻痺側で差は認めなかった.また、健常群との比較において安静換気時において右横隔膜移動距離は脳卒中患者において有意に短かった。健常群との比較において強制換気においては有意な差は認められなかった.呼吸機能との関連においては麻痺側・非麻痺側の強制換気時の横隔膜移動距離とVCは中等度の相関が認められた.
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