2013 Fiscal Year Research-status Report
足底面への力触覚提示による歩行リハビリテーションのパラダイムシフトを目指して
Project/Area Number |
25560277
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
菊池 武士 大分大学, 工学部, 准教授 (10372137)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 歩行リハビリ / 足底 / バーチャルリアリティ / ハプティックデバイス |
Research Abstract |
感覚刺激が機能リハビリテーションに有効であることが知られているが,歩行リハ中の「力・触覚」を同時に,かつ安全に提示するデバイスは実現されていない.そこで本究では,(1)歩行リハビリに必要な足底面の触覚提示性能を明らかにし,(2)上記の要求仕様を満たす足底圧提示デバイスおよび歩行リハ装置全体を開発し,(3)上記の歩行リハ装置を開発する. H25年度の研究実績においては,上記の(1)について各方向に傾斜した路面に起立したときの足底面の圧力分布を計測・評価した.被験者としては若年健常者を中心としてその特徴を調査した.足底面を指,前足部,アーチ,踵に4分割し,それぞれの平均圧力で調査した結果,結果に大きな個人差があることが分かった.今後,さらに被験者を増やして統一した傾向が得られるのか,幾つかのパターンわけが必要かを判断する必要がある.また,高齢者を対象とした実験を今後行う必要がある. (2)について外部磁場によって粘弾性を調整可能な磁性エラストマーを用いた新規な触覚提示デバイス,および空気圧を用いた触覚提示デバイスを開発した.これらのデバイスの特性評価に関して,今後実施する必要がある. (3)について仮想環境構築ソフトウェアと歩行装置の全体システムの試作,および安全装置の開発を行った.全体システムの初期試作機を完成させ,その動作確認も終了した.今後,この装置の性能評価と改良が必要である.以上の成果を国内外の学会にて発表した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね,当初計画に従って達成できている.デバイス開発に関して年度途中に自身の所属変更があったため,当初予定していた装置開発の試作回数が減ってしまったが,今後の改良によって装置を完成させる.全体システムとして,概ね当初予定の装置を試作することができ,今後の実験に支障はない.
|
Strategy for Future Research Activity |
被験者を増やした実験と心理物理的な評価,システム使用時の身体への評価など,評価実験か2年目であるH26年の主な課題となる.自身の所属変更に伴い,評価協力体制の再構築が必要となっているため,現在,近隣の医療関係機関への協力体制の呼びかけを行っているが,幾つかの協力承諾はすでに得られており,問題なく研究継続できる見込みである.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度途中に自身の所属変更があったため,経費を使用できる期間が短くなり当初予定していた装置開発の計画に変更が生じたことが主な理由である. 上記の変更によっても全体計画を達成するために,当初研究計画の後半に実施する予定であったソフトウェア開発を前倒しで実施した.これにより,本来H25年度に実施の計画であった装置開発をH26年度に実施することができ,そのために経費を使用する.
|