2015 Fiscal Year Annual Research Report
足底面への力触覚提示による歩行リハビリテーションのパラダイムシフトを目指して
Project/Area Number |
25560277
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
菊池 武士 大分大学, 工学部, 准教授 (10372137)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 歩行リハビリ / バーチャルリアリティ / 足底 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに開発されたバーチャル歩行システムを応用し,重症心身障がい児のQOL向上を目的とした,軽量,コンパクトな足及び脚部への刺激装置を開発した.病院のベッド上でも使用可能なコンパクトで静寂な刺激装置として電気刺激に注目し,これまでの視聴覚提示システムに電気刺激を組み合わせた新しいシステムを考案し開発した.健常者の様々な歩行様式における筋電を計測し,それを機能的電気刺激によって再現することで歩行感を向上できるか確認した.前後歩行の2パターンについて足指の底背屈に関する母趾外転筋(abductor hallucis; AH),短母趾伸筋(extensor hallucis brevis; EH)への刺激法を提案し,健常被験者1名に関して実験を行い,歩行感が得られた.今後,対象者への検討を行う.また,重症児の場合,意図を表出する手段が少なく,また認知機能の障害(未発達)も伴うために意思伝達が困難である.そこで意図認識のための入力装置の検討も行った.対象者の可能な動作について,別府発達医療センター めじろ園に入居中の重症児5名の観察および担当看護師・介護士・療法士の意見聴取を行った.調査の結果,顔をかすかに横に振る動作,および指をかすかに曲げる動作のいずれかが実施可能であった.そこで,これら二つの動作をセンシングする手段を選定した.まず顔の動作に関しては,画像表示・音声再生のために用いるタブレットPCに内蔵されたカメラを用い,OpenCVライブラリに標準で含まれる顔認識用学習データを用い,認識された顔の位置を用いた.指の運動に関しては,樹脂製のフレキシブル曲げセンサを用い,フェルト布で製作した指サックで指の外側に固定した.上記重症児5名に対し,2名に関して意図認識に成功した.さらなる検討が必要である.
|