2014 Fiscal Year Research-status Report
簡易脳波計を利用したスキャン型文章入力インタフェース
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25560279
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
森 大毅 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10302184)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脳機能インタフェース / 脳波 / 独立成分分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)精神活動による脳波変化に利用可能なタスク選定 多チャンネル脳波計としてEmotiv社製EPOCを用い、精神活動による脳波変化の大きさを、暗算および運動想起に関連する種々のタスクにより検討した。被験者3名による実験の結果、1名の被験者で「目的文字を書くイメージ」および「頭をぼーっとさせる」タスクが高い分離度を示した。 (2)電極位置の検討 被験者1名による文字入力実験を行い、脳波の帯域と電極位置の違いによる精度を比較した。その結果、チャンネルF7から得られるα波を用いた場合の精度が34%と最も高かった。 (3)独立成分分析および信号選択法の検討 多チャンネル脳波計の性能を生かすため、独立成分分析を利用した信号強調を検討した。4名の被験者に開閉眼を用いたα波制御による文字入力を行わせた実験の結果、独立成分分析前後で平均正解率を95%から最大98%に向上できることがわかった。この際、独立成分分析後のどの信号を選べば分離を最大にできるかが問題となるため、ターゲット期間および非ターゲット期間の分布間距離最大基準を用いて信号を選択する方法を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では、平成26年度の研究計画としては(3)特徴選択およびモデル化を挙げた。研究実績として、独立成分分析を用いた信号強調および信号選択を提案するとともに、種々の精神活動を利用したタスク選定実験を実施した。その結果は、言語モデル未使用時では、最も分離性能が高い条件においても文字入力の精度は34%であった。言語モデルが性能を発揮するためには75%以上の精度が必要である。このことから、当初目標としていた文字正解精度85%は、体を一切動かさない条件では達成が困難であるという見通しとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
種々の帯域および分析条件にわたる脳波の分析の結果、α波などの自発脳波だけでは、体を一切動かさない条件では当初目標としていた文字入力精度を得るのが困難であることがわかったため、平成26年度中より運動想起に関連した脱同期(ERD)を併用する検討を始めている。 平成26年度の研究成果の1つに、独立成分分析による信号強調時の信号選択法の開発が挙げられる。この成果は、ERDをトリガーとする文字入力においても有効であることが期待される。最終年度は、平成26年度までの研究成果を土台として、文字入力精度を目標とする数値に少しでも近づけるための検討を行う。
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Causes of Carryover |
文字入力精度が不十分で、多数の被験者による文字入力実験をするに至らなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
10名ほどの被験者による評価実験を予定している。
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Research Products
(4 results)