2014 Fiscal Year Annual Research Report
褥瘡予防のためのセンシングとアクチュエーションに関する福祉工学的研究
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25560281
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Research Institution | Industrial Research Institute of Shizuoka Prefecture |
Principal Investigator |
細野 美奈子 静岡県工業技術研究所, その他部局等, 研究員 (70647974)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 褥瘡予防 / 水素吸蔵合金 / 力センシング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,身体表面に働く負荷の軽減や再分配を行う褥瘡予防システムの開発である.この褥瘡予防システムは力の再分配を行うアクチュエータ部(以下,力再分配ユニット)と,身体とシステムの接触面に働く力を計測するモニタリング部から成る.平成26年度は身体表面にかかる力を計測する3軸力センサと力再分配ユニットとを組み合わせて褥瘡予防システムを試作した. 前年度の研究成果から,ユニットに用いるアクチュエータとして,本研究では水素吸蔵合金を駆動源とした水素吸蔵合金アクチュエータ(以下,MHアクチュエータ)を適用することとし,アクチュエータの試作および制御系を構築した.MHアクチュエータは無音,無振動で緩衝性のある出力が可能であることを特徴とする.はじめに,前年度に選定したMHアクチュエータに用いる水素吸蔵合金(以下,MH合金)約1 gを封入したMHアクチュエータに対し,加熱冷却温度範囲を10℃から40℃の間として,アクチュエータ駆動部である直径50 mmのソフトベローズの出力荷重を制御した.実験の結果,温度制御をすることによってオーバーシュートすることなく,10分程度の周期で0 Nから20 Nの力をアクチュエータ出力として得ることができた.以上の結果は,International Symposium on Metal-Hydrogen Systems (MH2014)にて発表した.続いて,アクチュエータの駆動部のベローズに3軸力センサを設置し,ベローズ表面にかかる力の計測を試みた.その結果,ベローズ中央に設置することで,表面に働く荷重を計測することができ,これをフィードバック制御することによってアクチュエータ動作をコントロールすることが可能であることを示した.最終的に,MHアクチュエータによって構成される力再分配ユニットと3軸力センサを組み合わせて,褥瘡予防システムを試作した.
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